不慣れで手が届かなかったが身近な存在になったAIの発展に、またどのような変化が生じたのだろうか。中国国際スマート産業博覧会2019が26日、重慶市で開催された。ビッグデータ・スマート化サミットにて、鞏克氏、馬雲氏、馬化騰氏、李彦宏氏らスマートテクノロジー分野の来賓が、スマート化及び未来の発展について新たな観点を示した。
スマート産業はすでに未来をけん引する戦略的新興産業になっている。初歩的な統計によると、昨年のAI関連の産業規模は5000億元を突破しており、重要な新しい経済成長源になりつつある。
「AIはもはや見栄えの良さを求めず、着実に推進し、実行に向け取り組んでいる」百度の創業者である李彦宏会長兼CEOは昨年のスマート博覧会におけるスピーチで、AIに関する3つの誤解について言及したが、今回のスピーチではAI発展に関する新たな観察について次のように話した。
これまで注目されていたのはAIが世界の囲碁チャンピオンに勝利し、自動運転車がどこまで走行できるかといった見栄えのいいことだったが、現在は生活の利便性、作業効率の向上、安全で実用的であるかが注目されている。これまでは中国のAI論文発表数、特許出願件数が注目されていたが、現在はAI全体の開発枠組みにおける発言権がより重視されている。過去1年に渡り、AIは見栄えのいい効果から社会の共通認識、国家戦略に変化した。我々がやるべきことは、AIの各産業分野における浸透を着実に推進し、各分野・業界の効率向上を促し、人々の満足度を高めることだ。いかにAIの使用を着実に推進するかについてだが、まず安全と効率を重視する。次に、インフラ整備を加速する。それから、オープンソースと開放プラットフォームを十分に利用する。
テンセントの馬化騰会長兼CEOはスピーチの中で、「我々は内外でソースコードを開放することで、『世界テクノロジー共同体』の共同建設に積極的に参与する。テクノロジーと産業の頂上に登り詰めるためには、テクノロジーと共同体と世界産業生態が必要だ。科学研究面により注力し、テクノロジーの活用を当社の新たな使命・ビジョンとする。内外のソースコード開放について、すでに82件のプロジェクトを発表している」と述べた。また産業の発展については、次のように述べた。
産業の競争の主戦場は現在、「シングルス」から「ダブルス」に徐々に変化している。実体産業の競争はもはや一対一の戦いではなく、各実体産業が情報産業と結びつき、新たなペアを作り競争に加わっている。工業・情報化部は早くから「両化融合(工業化と情報化の融合)」を打ち出していた。産業のインターネットは「両化融合」の重要な担い手と突破口だ。例えば自動車産業において、5G技術の応用、AIの使用、新エネ代替、スマート都市ガバナンスなどの業界を跨ぐ協力が推進されている。特に情報産業と自動車産業の融合・革新は、新たな車載ネットワーク生態を構築した。
比亜迪股份有限公司の王伝福会長兼総裁は「自動車重工業の変革において、電動化は前半戦に過ぎず、スマート化が後半戦、真の大変革になる。従来の自動車は機械の車で、そろばんのようなものだ。そろばんではいつまでもインターネットが使用できない。機械を電動に変え、そろばんをコンピュータに変えることで、スマート化の目標が実現される」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年8月31日