中国工業・情報化部はこのほど発表した「製造業の製品及びサービスの質向上の促進に関する実施意見」(以下「同意見」)の中で、19の提案を行った。また2022年までに製造業の質の全体的な水準、品質基礎サポート能力を大幅に高め、品質発展環境を持続的に改善し、業界の品質活動体制をより効率的にすることを明らかにした。専門家は、同意見の発表は製造業のモデルチェンジ・アップグレードを促進し、中国を製造業大国から製造業強国に転じさせると指摘した。
同意見によると、次の4種の製造業業種が次の段階の質向上の重点になる。(1)原材料工業の供給の質向上。(2)設備製造業の品質の競争力の強化。(3)消費財工業の質向上・アップグレードの促進。(4)情報技術産業のハイエンドへの邁進の推進。
国家情報センター経済予測部の牛犁副主任は「原材料工業のコスト増は、現在の製造業モデルチェンジ・アップグレードを制約する一大難点だ。中国は近年、生態文明の建設を力強く推進している。原材料工業企業が環境保護に使用するコストが拡大しているため、企業の経営に大きな圧力がかかっている」と述べた。同意見は、「原材料工業の供給の質を高める。鉄鋼、コンクリート、電解アルミニウム、フロートガラスなどの伝統産業のモデルチェンジ・アップグレードを加速し、クリーンで効率的な生産技術を普及させ、グリーン化・スマート化改造を実施する。全フロー品質オンライン観測・診断・改善システムの研究開発と応用を奨励する。希土類のグリーンな開発及び冶金・分離技術の開発を支持し、希土類新材料及びハイエンド応用産業の発展を加速する」とした。牛氏は「原材料工業製造業が直面している環境保護の課題と圧力について、同意見はクリーンエネルギー技術の普及の取り組みを拡大し、省エネ・排出削減・エネルギー消費削減を促進するとした。これはグリーンな発展の大方向に合致する重要な措置だ」と指摘した。
同意見はさらに、「情報技術産業のハイエンドへの邁進を推進し、5G及びIoT関連産業の発展を加速し、情報化・工業化の融合発展を掘り下げ、産業用インターネットプラットフォームを構築する。産業用インターネットの新型インフラの整備を強化し、重要基礎ソフト、工業デザインソフト、プラットフォームソフトの開発・応用を推進し、ソフトウェア工学の質とネットワーク情報安全水準を高める」とした。牛氏は「製造業やサービスなどその他の分野でも、ネットワークが便利でスムーズになれば、各方面の効率が向上する。そのため5Gは現在の情報分野の最も重要な発展方向だ。5G技術の実用化の加速は、伝統的な製造分野のモデルチェンジ・アップグレードを力強く促進する」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年9月10日