今年のジェトロの誘致活動では、食品・農産品分野の企業が3分の2に達した。日本の優位産業は農林水産業で、18年に中国に輸出した農林水産物・食品の輸出額は1338億円に達し、前年比32.8%増加し、中国は米国を抜いて日本の農産品の2番目の輸出先になった。
このうちアルコール飲料類の伸びが最も著しく、日本酒の対中輸出額は18年は35億9千万元に達して、同35%増加した。
「輸入博の人気商品」という立派な看板を掲げた醤油味アイス
昨年の輸入博で日本企業が打ち出した「人気のおやつ・醤油味アイス」が飛ぶように売れていた。この企業は元来は醤油の醸造元だったが、輸入博で大好評を博したことから、ビジネスが大きく発展し、醤油味アイスは「輸入博の人気商品」という立派な看板を掲げ、中国国内でも醤油味アイスを扱う店がすぐに登場した。
ここからわかるのは、輸入博というプラットフォームは、貿易の商談をする最良の場所であるだけでなく、ブランドを宣伝する最良の場所でもあるということだ。
日本のオムロン株式会社も同じように輸入博から利益を得た。昨年は医療機器・医薬保健と先端設備の2つの展示ブロックに出展した。中国人にとって、オムロンは医療機器を製造する会社に過ぎなかったが、輸入博で卓球ロボット「フォルフェウス」を華々しくお披露目し、そのことがメディアによって広く伝えられると、「ロボットも作っていたなんて」と人々を驚かせ、企業イメージが大幅に向上し、貿易取引量もそれにともなって増加した。こうしてオムロンは「輸入博の熱心なファン」になっていった。