各界が注目している新型コロナウイルス肺炎の流行は、中国の経済と貿易・投資に影響をもたらす可能性がある。しかし、英国商工業界の複数の関係者は記者の取材に対し、中国のサプライチェーンの粘り強さを高く評価していると話し、中国経済の長期的な発展に対して楽観的な見方を示した。
「中国は現在、『感染症との戦い』で正念場を迎えているが、これらの数字は両国の長期にわたる協力の大きな潜在力が変わらないことを示している」。英中貿易協会責任者のマシュー・ロールス氏はこう話した。同氏が指す数字とは、英国国家統計局が先ごろ発表した2019年の対外貿易統計だ。統計によると、英国の対中商品輸出は過去最高を再び更新し、中国は英国にとって第三の輸出市場となっている。
新型コロナウイルス肺炎が流行しているものの、ロールス氏は英中貿易の先行きに楽観的な見方を保っている。小売、科学技術、ヘルスケアなどの分野における両国の協力は安定的に拡大しており、互恵・ウインウインが進んでいる。
「今後は中国市場からの需要が、欧州と米国をはるかに上回ると思う」と英国の貿易会社マネージャーを務めるカリン・レインスフス氏は話す。同氏は、中国の市場が非常に大きい上、急速に増える中所得層のハイクオリティな商品に対する需要が強いとの見方を示した。
感染症の流行が業務に及ぼす業務についてレインスフス氏は、今のところそれほど懸念していないと答えた。「短期的にみると、感染症の流行は中国の経済成長に影響を及ぼすものの、中国の消費構造を根本的に変えることはない」とみている。
中国が全力で防疫対策を講じるなか、国外からは一部工場の閉鎖や停止、大規模な隔離措置が中国経済を大きく損ねるとの声も上がっているが、商工業界ではそれとは反対の見方を示す関係者が多い。
英自動車メーカー・ディーラー協会連絡担当者のエンマ・ビュシャー氏は、英国の自動車メーカーで感染症の流行によって苦境に陥っているとの声は上がっていないと話した。