中国国務院感染症予防・抑制メカニズムは3月25日の記者会見で、新型コロナウイルス感染による肺炎発症の予防・抑制、営業と生産の再開、中小企業の経営を次世代ITが支えている状況を説明した。
感染症の流行で通信トラフィックに対する需要が大きく増えたことは、通信ネットワークに負荷をかけ、中国国外で多くの通信事業者にとって切迫した問題となっている。これについて中国の工業情報化部(工信部)情報通信管理局長の韓夏氏は、感染症が流行してからも中国の通信業界ではネットワークの遮断、サービスの停止、機能の低下が起こっておらず、スムーズな通信が保たれていることを明らかにした。感染症の流行後に、4Gおよび5G基地局を新たに6万3000カ所に設置し、ネットワーク能力を向上させ、通信サービスを保障するネットワーク基盤を強固にしたと説明。また、5Gネットワークの普及と応用を強化し、火神山医院や雷神山医院といった重点施設の通信保障任務と5G対応を早急に終えたとしている。
韓夏氏は、感染症流行の予防・抑制と営業と生産の再開を進めるなかで、インダストリアル・インターネットが需要な作用を発揮したと指摘している。インダストリアル・インターネットは、防疫対策の連動性を高め、マスクなど防護物資の不足を効果的に緩和。生産プロセスでは、接触を抑えて労働生産性を上げ、労働者の密度を引き下げた。オンライン業態においては、技術者の流動を減らし、参入条件を下げている。モニタリングサービスは効率が向上し、一部の地方政府でワンクリック申請と同時に主管部門のワンクリック承認が可能となった上、営業と生産の再開に関する様々な統計データを確認することができ、タイムリーな進捗率の把握が政策決定の一助となって、「データの活用による企業の負担軽減」が進んだ。
また、感染症の予防・抑制と経済・社会発展が進むなかで、インダストリアル・インターネット、5G、データセンターなど新型インフラの建設を加速することは、短期的な需要と長期の有効供給を両立させる重要な選択となる。インダストリアル・インターネットは、新型インフラの重要分野として、大きな投資需要だけでなく、非常に大きな消費市場を動かすことができる。党中央が最近決定したインダストリアル・インターネットの発展を加速する政策を実行するために、工信部も「インダストリアル・インターネット発展加速に関する通知」を発表し、6つの面から20項目の措置を打ち出してインダストリアル・インターネットの発展を促進した。
中国信通院の最新予測によると、2019年の中国インダストリアル・インターネット産業の経済的付加価値は2兆1300億元で、2020年は3兆1000億元に上る見込み。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月29日