1月1日、ドイツのデュイスブルクとポーランドのウッチに向けて重慶市の団結村駅を出発した中欧班列「成渝号」(写真=新華社提供)
2020年12月30日、中国EU投資協定の締結交渉が合意に達した。世界の主要な先進経済体と世界最大の発展途上にある経済体が結んだバランスが取れ、高水準で、互恵・ウィンウィンの投資協定は、双方の利益に関わるだけでなく、激動の最中にある世界への新年のプレゼントでもある。
2020年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と百年来の国際情勢の大変革が積み重なった1年だった。もともと発展を阻害されていたグローバル化は新型肺炎の影響でより強い逆流に遭遇し、国際情勢の不安定化要因と不確定要素がかつてないほど増えていった。反グローバル化の流れに直面し、中国は責任ある大国として、国際舞台で終始多国間主義と自由貿易の理念を堅持し、グローバル化を積極的に擁護している。2020年末に相次いで合意に達した地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の締結と中国EU投資協定の交渉は、この責任を履行する中国の行動の現れだ。
中国EU投資協定の期日通りの妥結は、高水準な対外開放を推進する中国の決意と自信を示した。習近平国家主席はEUの指導者らとオンラインで会談した際、「中国EU投資協定は中国とEUの相互投資のためにより大きな市場参入の余地、より高水準なビジネス環境、より力強い制度的保障、より明るい協力の展望を提供する」と指摘した。協定に基づき、中国はEUに対し、新エネルギー車、民営医療、クラウドコンピューティングサービスなど要となる分野に加え、金融サービス、不動産、水上運輸サービスなど、多くの分野で市場を開放していく。これは制度型の開放を推し進める中国の誠意を表すものだ。また、中国EU投資協定では、中国は初めてサービス業と非サービス業を含むすべての業界で、ネガティブリスト方式で開放することを約束した。
中国EU投資協定は中国とEUに利益をもたらすだけでなく、ポストコロナ時代における世界の回復に自信を与える。中国EU関係は45年の発展を経て、経済・貿易分野は深く融合しており、1分間当たりの双方の貿易額は100万ドルを超えている。2020年1~10月、中国は初めてアメリカを抜いてEUにとって最大の貿易パートナーになった。投資分野を見ると、2019年末の時点で、中国EU間の相互投資総額は2400億ドルに達している。また、欧州も中国の投資の主な市場だ。中国はEUで3200社以上の直接投資企業を設立し、EUの28の加盟国を全てカバーしており、合わせて26万人の雇用をもたらしている。中国EU投資協定の締結により、中国とEUの経済協力はより高いレベルに押し上げられる。これは中国とEUの市場にとって非常にプラスになり、ポストコロナ時代における中国とEUの経済回復に対する自信を大いに強め、グローバル経済が迅速に回復へ転じるよう後押しする。
中国EU投資協定は名前の通り投資に関する協定だが、その意義は投資を遥かに超える。一方で、協定の範囲は従来の二国間投資協定を遥かに上回り、交渉の成果は市場参入の約束、公平な競争のルール、持続可能な発展、紛争解決という4つの内容を含む。投資協定の交渉を終えたことで中国とEUの経済ベルトを大いに強化し、中国EU関係の経済・政治面でのウィンウィンを示すと同時に、相互信頼の基礎を固めた。また一方で、この協定の妥結は「経済のグローバル化のプロセスが停滞することはなく、保護主義、一国主義は決して正しい選択ではない」という明確なシグナルも全世界に発信した。
習主席が提唱したように、中国とEUは世界の二大パワー、二大市場、二大文明として、責任感を示し、積極的に行動し、世界の平和と進歩に向けて協力する建設者となるべきだ。中国EU投資協定を基礎に、双方はより大きな力でこの提案を実行に移し、新型コロナウイルス影響下の世界に新たなチャンスをもたらす。
「北京週報日本語版」2021年1月11日