国際通貨基金(IMF)のビトール・ガスパール財政局長はこのほど、新華社の独占インタビューに応じ、「中国は新型コロナウイルスによる影響に対応すべく、強力な財政措置を講じたが、このことは中国経済の回復に重要な役割を果たした」と語った。
IMFはこのほど発表した「世界経済見通し(WEO)」の改訂版の中で、2020年の世界経済の成長率を3.5%と前回予測から下方修正したが、こうした中で中国は世界で唯一プラス成長を達成した主要経済国となったと述べた。
これについてガスパール氏は、中国経済がプラス成長を達成したことは世界にとっても朗報だとした上で、昨年の成長率は2.3%だったが、このうち財政支援策による押し上げ効果が2.2ポイントあったと指摘。中国の景気回復は「今のところ非常に望ましい状態」であり、コロナ禍による影響の深刻さを考えれば、中国政府が財政支援策を継続することは「全くもって適切だ」との見方を示した。
ガスパール氏は、中国は次の景気回復の過程で、社会保障制度の拡充や税制の見直しを行うことで家計の予備的貯蓄を減らし、これによって消費を一段と刺激できると同時に、経済的資源配分の領域で改革を継続推進することができると提言した。
IMFは、世界経済の回復の見通しは不透明であり、各国政府はワクチンの迅速かつ広範な普及の確保に向けて、断固たる行動を取り、多国間協力を強化すべきだと指摘した。
これについてガスパール氏は、足元の世界経済状況から見て、ワクチン接種や最も効果的な投資のために多くの資金を投入する必要があると指摘。パンデミック(世界的大流行)の終息が早ければ早いほど、経済も早期に正常化することができるとした上で、低所得国でのワクチン接種が遅れている現状から見て、特に支援が必要だとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年2月12日