中国税関総署はこのほど、今年1-2月の中国の貿易総額は前年同期比32.2%増の5兆4400億元(約91兆1739億円)だったと発表しました。前年下半期に出現した輸出入がマイナスからプラスに転ずる状況は継続しており、引き続き良い状態に向かいつつあります。しかし複数の外国貿易企業や商社を取材したところ、中国の対外貿易が力強く回復する反面、輸出のための輸送段階において、コンテナの供給が需要に追いつかない状況が発生していることが分かりました。
ドイツ国際企業家協会は昨年、ドイツの複数の州政府からの委託を受け、中国で感染症対策物資を大量に調達しました。同協会中国支部プロジェクト部の責任者によると、昨年7月から今年3月までに、同人物の手を通してドイツに輸出した感染症対策物資の価格は10億元(約167億6千万円)に達したとのことです。
中国最大の国内コンテナ物流のハブ港である広州港では、海運市場の需要が旺盛になり、昨年下半期からは対外貿易の輸送で使用するコンテナが入手困難という状況が出現しています。
コンテナの供給が需要に追いつかないことが中国の対外貿易輸出に与えた最も直接的な影響は、貨物輸送周期が伸びたことや、運賃の急騰です。この一連の問題に対して、広州港での輸送業務などを手掛ける広州港グループは、多くの対策を取って、輸出会社のために新たな解決策を提供しています。しかしそれでも、広州港グループの宋小明副総経理は、コンテナの「入手困難」はしばらく続くとして、輸出企業に対して早めに準備するよう呼掛けています。
「中国国際放送局日本語版」2021年3月13日