中国広核集団は29日に深セン市で、清華大学原子力・新エネ技術研究院と医学院、中国科学院近代物理研究所などの機関と共同でプロジェクト成果発表会を開いた。電子線によるコールドチェーン食品外装の新型コロナウイルス不活化プロジェクトが、中国科学院の詹文竜院士ら7人の専門家からなる専門家チームの評価・審査に合格し、中国初のコールドチェーン食品外装消毒用のモデル応用装置の開発・製造が完了したと発表した。科技日報が伝えた。
評価・審査会の専門家チームは、「同プロジェクトはまずP3実験室で電子線による新型コロナウイルス不活化の実験を行い、その有効性及びコントロール可能な透過度といった優位性を検証した。同プロジェクトはコールドチェーン環境要素の電子線ウイルス不活化に対する影響を十分に考慮しており、コールドチェーン食品外装の予防的消毒の新技術の開発に科学の根拠を提供した。これは中国の低エネルギー電子線による新型コロナウイルスの不活化の研究及び応用技術が、世界の先頭集団に立っていることを意味する」と判断した。
中国科学院近代物理研究所電子加速器研究センター長で、中広核加速器研究院チーフエンジニアの張子民氏は「研究開発された不活化装置は低エネルギーの自己遮蔽電子カーテン加速器を採用した。電子線は低エネルギーで、紙製品への透過力はわずか0.3ミリメートル前後で、主にコールドチェーン食品の外装を消毒する。コールドチェーン食品の外装内を透過し、中の食品に影響を及ぼすことはない上、設備の運転現場の環境に影響を及ぼすこともない」と説明した。
また設備の敷地面積は40平方メートル以下で、既存のコールドチェーン食品外装消毒の実情に基づき、設備を税関、通関地、集中監督管理倉庫などに直接設置できる。コールドチェーン輸送や倉庫保管とシームレスに連携し、コールドチェーン外装消毒のためによりグリーンで、環境にやさしい、効率的なソリューションを提供する。中国国内の感染対策と海外からの輸入症例防止の強力な道具になる。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月31日