香港紙「南華早報」はこのほど「品質、資金調達、ミレニアム世代の信頼により、ロレアルや資生堂以上の売れ行きを目指す中国化粧品メーカー」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
ロレアル、資生堂、エスティローダーなどの海外ブランドの売れ行きには及ばないが、中国地場化粧品メーカーは研究開発とマーケティングを強化中で、ミレニアム世代の市場シェアと信頼を勝ち取ろうとしている。
研究開発の強化、品質向上、革新の面で、地場メーカーは世界の投資家から資金を獲得しており、また中国各地の関連部門と協力している。これは大きな利益を生む、毎年の価値が420-520億ドルにのぼる世界最大の市場である国内化粧品・スキンケア市場と関わる。
仏山でファミリー企業の経営に協力するジョアンナ・チャウさんは、「国内メーカーは近年、ブランド樹立と質向上への重視を強めている。以前は品質が今ひとつな中国製品よりも外国ブランドを選択した。しかし今や私は国内ブランドのクレンジングクリーム、フェイスクリーム、口紅、メークアップブラシを試している」と述べた。国産ブランドはボリュームゾーンで好調だが、高利益の高級品は欧米と日本の有名ブランドに支配されている。この局面を覆すのは、チャウさんのようなミレニアム世代からの信頼と忠誠心だろう。
テクニカラーメーキャップやスキンケア用品を含む中国美容市場の2019年の小売総額は世界最大の388億ドルで、25年には690億ドルに達する見通しだ。中国の総人口に占めるZ世代、ミレニアム世代は30%未満だが、全国の美容製品消費額の50%弱を占めている。この数値は25年に61.3%に上がる。業界関係者は、中国から今後5-10年で世界トップの1-2社の地場ブランドが誕生すると述べた。今や中国の多くの都市が、世界美容製品の都になろうと争っている。広州市、上海市、長沙市などで化粧品業界が急台頭している。上海市奉賢区の関連産業は、現地の工場の生産額の5分の1以上を占めている。物流サポート、研究開発インセンティブ、製品・マーケティングイノベーションなどの手段を利用し、このような産業団地内の企業は中国の若者の変化する消費トレンドに迎合している。業界内の企業はさらにECサイト、ライブ配信などを利用し創意あるマーケティングを展開している。中国では現在、約30%のZ世代がネット通販で美容・ケア用品を購入している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月3日