酒泉衛星発射センターは5日7時28日、「長征4号丙」ロケットにより「風雲3号E星」を打ち上げた。
この世界初の民間用トワイライト軌道気象衛星は、軌道上の風雲3号C星・D星とネットワークを構築し運行する。中国は世界で唯一、トワイライト・午前・午後の3本の軌道の気象衛星ネットワーク観測能力を持つ国になる。
極軌道気象衛星の最も重要な任務は通常、数値気象予報に観測資料を提供することだ。欧米と同じく、中国の既存の極軌道気象衛星の観測時間は午前10時前後、午後2時前後に集中している。6時間の観測同期時間内に、世界の2−3本の軌道が衛星観測の空白エリアとなり、世界をカバーする生の観測を提供できない。
中国気象局風雲気象衛星プロジェクトのチーフデザイナーである楊軍氏は、「E星は世界の数値気象予報の観測資料の最後のピースを補う。午前・午後・トワイライトの衛星3基のネットワーク構築後、6時間ごとに数値気象予報に世界をカバーする整った資料を提供する。世界の数値気象予報の精度と効率を効果的に高め、改善する」と述べた。
専門家は、これにより南・北半球の予報の精度が2−3%上がり、大陸間スケールの地域予報の精度が2−10%上がると予想している。
また午前と午後の衛星と比べると、トワイライト軌道衛星の観測中は太陽の仰角が低く、地形及び雲の高度の幾何的特徴がより顕著だ。
楊氏は「この長所を活かし、E星は朝もや、台風、強い対流の観測と分析で独特の応用を展開する。今後は朝もや発生の時刻に観測を行うことで、交通によりスムーズで効果的な案内を提供できる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月6日