動画サイトでのバラエティ番組視聴、ECライブ配信での買い物、暇な時のショートムービー視聴などは多くの人の生活の一部になっている。中国インターネット視聴番組サービス協会が先日発表した『2021中国ネット視聴発展研究報告』によると、2020年12月の時点で中国のネット動画視聴ユーザーは9億4400万人に達し、2020年のネット動画視聴関連の産業規模は6000億元に達した。
ネット動画視聴ユーザーが急増
ネット動画視聴には主にショートムービー、ネットライブ配信、ネット音楽、総合動画(映画、ドラマ、バラエティ番組視聴)などの形式がある。ネット動画視聴ユーザーは増加し続け、新規ネットユーザーの主な増加部分になっている。『2021中国ネット視聴発展研究報告』(以下、『報告』)によると、2020年12月時点で中国のネットユーザーのネット視聴サービス利用率は95.4%に達した。カテゴリ別で見ると、ショートムービーユーザーの使用率が最も高く88.3%、ユーザー数は8億7300万人。総合動画の使用率は71.1%でユーザー数は7億400万人、ネットライブ配信の使用率は62.4%でユーザー数は6億1700万人となっている。
大規模なユーザー数はネット視聴業界に巨大なビジネス価値をもたらした。統計によると、主流動画サイトの課金ユーザーは増加傾向にある。ユーザーの約半数がネット動画視聴に課金したことがあり、うち20.2%が先行視聴サービスを利用したことがある。
ショートムービーの市場規模は急速に伸び、2020年には前年比57.5%増の2051億3000万元に達した。ショートムービーはネット視聴の重要なマーケティング・チャネルになっている。ユーザーの6割以上が、TikTokや快手などで見所のあるシーンをチェックしてから番組を検索し視聴するという。
ショートムービーは日々の生活を記録
近年、ショートムービーの発展は注目を集めている。例えば、2020年下半期、全国の新規ネットユーザーは4915万人で、うち25.2%がネット視聴などを利用するためにインターネットを始めた。中でもショートムービーはネットユーザーにとって魅力があり、20.4%の人が初めてのインターネットでショートムービーアプリを利用し、インスタントメッセージアプリの利用に次ぐ多さとなっている。
『報告』の多くのデータはショートムービーが勢いよく発展し、多くのユーザーを引きつけていることを証明している。2017年末、1日あたりのショートムービーアプリの平均利用時間は76分だったが、今年3月には125分に達した。データによると、2019年、ショートムービーユーザーの利用時間は初めて動画を上回った。昨年はさらに大きくリードし、ショートムービーユーザーの1日あたりの利用時間はインスタントメッセージアプリの利用時間を上回った。
また、ショートムービーは創作と視聴の境界を越え、日々の生活を記録する重要なツールになりつつある。2020年、ショートムービーを撮影・アップロードするユーザーの割合は大幅に増加し、アップロードをしたことがあるユーザーは半数に迫った。
ユーザーの粘着度が向上
『報告』はネット視聴業界の発展動向を分析し、市場規模は安定発展段階に入り、ユーザー規模の増加減速は業界の共通認識だが、ユーザーの粘着度と活発性の向上は各サイトの主な発展目標になると示した。
中国芸術研究院の孫佳山副研究員は、ネット視聴業界のユーザー増加の勢いはまもなく終わるが、思考を変え、一定層向けのコンテンツ生産能力を向上させる必要があるとの見解を示した。孫佳山氏は、「5G時代に入り、動画分野は早めに市場構成を行い、どのようにして新しい技術と応用を組み合わせ、利用者が多いという特徴に合わせ、ユーザーの利用習慣と組み合わせ、良好なサービスを通して自身のサイトと動画の優位性を発揮するかを研究する必要がある」と話した。
優れたコンテンツはネット視聴業界にとって最も必要なものであり、優れたコンテンツがあってこそユーザーをつなぎとめることができ、ネット視聴はコンテンツを強化し向上させる必要がある。清華大学新聞・伝播学院の映画・テレビ伝播研究センターの司若研究員は、「視聴者を増やし視聴サービスを向上させるには、コンテンツは最も重要な突破口であり、各サイトの利用者数も優れたコンテンツを通して増やす必要がある。例えば、優れたインターネット映画の制作が注目を集めている」との見解を示した。首都師範大学美育研究センターの許苗苗教授は、ネット視聴業界はコンテンツ制作において若い消費者に合わせるだけでなく、差別化・細分化し、各年齢層に合った商品とコンテンツを制作する必要があると話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月7日