税関総署の統計によると、2020年の中国の越境EC輸出入額は前年比31.1%増の1兆6900億元で、伸び率が対外貿易全体の1.9%を大幅に上回った。うち輸出は40.1%増の1兆1200億元、輸入は16.5%増の5700億元。新興貿易業態の越境ECが感染症流行中も急速に発展し、対外貿易を安定させる大きな力となった。
越境ECの発展は数多くのプラットフォーム企業が体現している。例えば速売通(AliExpress)では、過去1年に家電と家具の売上高がどちらも50%以上増え、うち3C、消費者用電子機器、スマート家庭用品の売れ行きが好調だった。
全球速売通の総経理を務める王明強氏は、感染症流行が世界消費に「オフラインからオンラインへ」という明確なトレンドをもたらし、各国のEC普及率がこの1年余りで大きく上昇したとの見解を示した。また、海外の製造業が感染症流行の影響を受けたため、中国の製造業は世界消費市場の重要な支柱になったと説明。ここ1年で、「中国製造」として優位性を持つ業界はいずれも輸出が大きく伸びたという。
もう少し長い時間軸で見ると、中国の越境EC規模は5年間で約10倍に拡大した。急速な発展によって、中国の越境ECは世界で重要な位置を占めるようになっている。
中国は世界の越境ECの主要市場にもなった。B2C(企業と一般消費者の取引)では、世界的な決済企業のPaypalによる世界B2C越境ECのうち約26%が中国大陸で発生し、それに次ぐ第2-5位は順に米国の21%、英国の14%、ドイツの10%、日本の5%となっている。
国際連合貿易開発会議のまとめによると、中国は2018年に世界B2C越境ECの最大輸出国となっており、第2位の米国と合わせた売上高は世界全体の45.8%を占めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月16日