「前海構想」は香港地区に何をもたらすか?

「前海構想」は香港地区に何をもたらすか?。2025年をめどに、より高いレベルの開放型経済新体制を構築・整備し、世界的な競争力を持つビジネス環境をほぼ作り上げ、先端の要素が集積し、波及作用が突出した現代型サービス業が勢いよく発展するようにし…

タグ:前海 サービス 経済 協力

発信時間:2021-09-09 15:46:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

中国共産党中央委員会と国務院はこのほど、「前海深港現代型サービス業協力区における改革開放の全面的深化構想」を通達した。中央テレビニュースが伝えた。

 

重要な意義


前海深港現代型サービス業協力区の開発・建設は、香港地区の経済・社会の発展を支援し、広東省、香港地区、澳門(マカオ)地区の協力レベルを引き上げ、対外開放の新局面を構築するための重要な措置であり、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)建設の推進、深センの中国の特色ある社会主義先行モデル区建設への支援、香港同胞の祖国への求心力の増強にとって重要な意義がある。

 

発展の目標


2025年をめどに、より高いレベルの開放型経済新体制を構築・整備し、世界的な競争力を持つビジネス環境をほぼ作り上げ、先端の要素が集積し、波及作用が突出した現代型サービス業が勢いよく発展するようにし、複数駆動型イノベーションシステムが際立った成果をあげられるようにし、粤港澳大湾区の発展に対するけん引効果がますます顕在化するようにする。

 

2035年をめどに、高いレベルの対外開放の体制・メカニズムを一層整備し、ビジネス環境が世界トップレベルに到達するようにし、香港地区・マカオ地区との産業の協同・連動、市場の相互接続、イノベーションによる駆動・サポートの発展モデルを構築・整備し、グローバル資源配置能力が高く、イノベーションの資源を集積する能力が高く、協同発展の牽引力が高い、質の高い発展エンジンを作り上げ、改革・イノベーションの経験を広く普及させる。

 

実施範囲


前海協力区の発展の可能性をさらに押し広げる。既存の前海協力区をベースに、以下の地域へとさらに拡大・発展させる。

 

・南側に隣接する蛇口及び南山区の大小のエリアの22.89平方キロメートル

 

・北側に隣接するエキシビション新城及び海洋新城エリアの29.36平方キロメートル、空港及び周辺エリアの30.07平方キロメートル、宝安区の中心エリア及び大鏟湾エリアの23.32平方キロメートル

 

・前海協力区の総面積はこれまでの14.92平方キロメートルから120.56平方キロメートルに拡大

 

具体的計画


香港地区・マカオ地区にリンクし、世界につながる現代型サービス業の発展体制・メカニズムを構築・整備する。現代型サービス業の標準体系を構築・整備し、標準化のテスト・モデル事業を展開する。

 

実体経済にサービスを提供することを方向性とした金融の業態を育成する。

 

国際船舶登録制度と関連制度の改革を検討・探求・推進する。

 

人工知能(AI)、ヘルスケア・医療、フィンテック、スマートシティ、モノのインターネット(IoT)、エネルギー新材料など香港地区・マカオ地区が優位性を持つ分野を集積し、広東省・香港地区・マカオ地区が協力する新型研究開発機関の発展に力を入れる。

 

ハイレベルのイノベーション人材拠点を作り上げ、国際的人材サービス、イノベーション基金、インキュベーター、加速装置など、チェーン全体にわたる関連支援措置を構築する。

 

香港地区・マカオ地区と連携して新技術・新産業の発展推進にプラスになる法律・ルールと国際経済貿易ルールのイノベーションを探求し、健全で包摂的な監督管理の環境を段階的に構築し、独占と不当な競争行為に断固反対する。

 

海洋のハイレベルスマートデバイス、海洋プロジェクト設備、海洋電子情報(ビッグデータ)、海洋新エネルギー、海洋生態環境保護などを中心とした海洋テクノロジーイノベーションの優位性を構築する。

 

国家の版権のイノベーション発展拠点を構築する。

 

深セン経済特区の立法権を十分に利用して、前海協力区の投資家保護条例を検討・制定する。

 

深センの地域的な国有資本・国有企業総合改革テストの関連政策を十分に利用して、国有資本運営企業の改革テストを加速させ、国有市場の市場化・専門化した運営能力を強化し、国有企業のマーケットエンティティの地位と経営の自主権を守る。

 

信用経済テスト区を設立し、市場の監督管理、税金の監督管理、貿易の監督管理、投融資体制、グリーン発展などの分野において、信用システムを基礎とした市場化改革イノベーションを推進する。

 

香港地区・マカオ地区の越境政務サービスの円滑化を推進し、交通、通信、情報、決済などの分野における香港地区・マカオ地区の標準・ルールとの連携を検討する。

 

香港地区・マカオ地区の青年の前海協力区での勉学、活動、滞在、生活、起業、就職などに利便性を提供する。

 

法定機関が政府の地域ガバナンスの職能の一部を引き受ける体制・メカニズムのイノベーションを推進し、法定機関の法人としてのガバナンス構造、職能の設置、管理モデルを最適化する。

 

条件を満たした香港地区・マカオ地区の人材及び外国籍の人材が前海協力区内で法定機関の職務を担当することを検討・承認する。

 

国家の安全保障に危害を与えず、リスクがコントロール可能であることを前提として、「CEPA(大陸部と香港地区・マカオ地区の経済貿易緊密化協定)物品貿易協議」の枠組み内で、前海協力区が香港地区・マカオ地区に対してサービス分野の開放を拡大することを支援する。

 

前海協力区において香港地区・マカオ地区及び世界の有名大学を誘致して高水準の協力教学を展開し、香港地区・マカオ地区の青年教育育成拠点を構築する。

 

国の金融業の対外開放拡大の政策措置を前海協力区で実施することを支援し、香港地区の金融市場との相互接続、人民元の国境を越えた使用、外貨管理の円滑化などの分野で先行的にテストを行うことを支援する。

 

人民元・外貨が一体化した銀行口座のテストを展開し、マーケットエンティティに対し質が高く、安全で、効率の高い銀行口座サービスを提供する。条件を満たした金融機関が国境を越えた証券投資などの業務を展開することを支援する。国際的保険機関が前海協力区で発展することを支援する。

 

越境貿易金融と国際決済の新たなメカニズムを模索する。

 

香港証券取引所前海連合取引センターが法律・ルールに従ってコモディティの現物取引を展開することを支援する。

 

前海協力区内に国際法律サービスセンターと国際ビジネス紛争解決センターを設立し、異なる法体系や国境を越えた法律・ルールの連携を模索する。

 

越境貿易ビッグデータプラットフォームを構築し、中国内外の通関地のデータ相互接続、書類の相互認証、監督管理の相互支援・相互認証を推進し、二国間・多国間投資貿易の円滑化に向けた協力を展開する。

 

中国の特色ある新型シンクタンクを発展させ、広東省・香港地区・マカオ地区研究基地を建設する。

 

深セン宝安国際空港が従来の運航の権利を十分に利用し、深セン空港の通関地が完成車の輸入通関窓口を設けることを支援する。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2021年9月9日

 

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