インターネットで運動関連の動画をランダムに選んで見てみると、ネットユーザーたちの雨あられのようなコメントが目に入る。トレーニングのコツを伝えるものから、地獄のトレーニングにツッコミを入れながらもついっていっているものまである。一部の若者たちは、ジムには姿を現さないものの、トレーニングをネット上でやり続ける方法を見つけているようだ。中国新聞網が伝えた。
サラリーマンの王睿さんは元々トレーニングの習慣はなかったが、ネットで運動のショート動画を見て「新たな地平」が開けたような思いを味わった。「5分から10分のその場でできる運動は簡単で効果もある。動画のコメント欄に一緒にやっていることを書きこむと、各地のネットユーザーたちからチェックのコメントが寄せられ、そうこうしているうちに気の合う仲間を見つけることができた」と言う。
飲酒や夜更かしなど不健康な生活を送りながらも健康食品などで健康に気を遣う「パンク養生」や「細やかなヘルスケア」に若者が熱中するようになり、スポーツと健康が欠かせない話題になった。王さんのケースと同じように、ますます多くのトレーニングに挑戦する若者が「オンライン」から始めることを選択するようになっている。トレーニングは単なる運動であるだけでなく、ストレス軽減や人とのつながりなどさまざまなニーズにも応えている。
成都市の鄧依然さん(女性)は、「こういうやり方は私のような『人付き合いが苦手』な人にはぴったり。無理してパーソナルトレーナーの売り込みに対応しなくていいし、トレーニングの達人の側で引け目を感じることもない。逆にネットユーザーとの気楽な交流でリラックスできるし、動画のさまざまな『トレーニング志望者』のツッコミのコメントを見るのが大きな楽しみ」と話した。
動画サイト「bilibili」(ビリビリ)が昨年に発表した報告では、毎日アプリでトレーニング動画を見る人は570万人以上おり、そのうち19-30歳が70%に迫る。また同サイトのデータでは、新型コロナウイルス感染症の期間に、同サイトのトレーニング・運動類の動画の再生回数は累計6億6千万回を超え、関連動画をアップする人のフォロワー増加率は240%を超えたという。
「週六野Zoey」さんはプロのスポーツブロガーになって5年。その動画が非常に人気を集めていることについて、「若者の新しいスポーツ理念と関係がある」と話す。「時間が徐々に断片化し、多くの人は『楽しんで運動できればいい』と思っている。コストのかからない『オンライントレーニング』ならいつでもどこでも運動できる。動画に飛び交うコメントを見ていると、ネット空間らしいムードを感じられる」とする「週六野Zoey」さん。現在、SNSでのフォロワー数は累計2千万人を超えるという。
西安医学院スポーツ部の教員の孫晋媛さんは、「ますます多くの若者が健康の意識を持つようになったことが、トレーニング方法が多様化する重要な原因となっている。若者は運動のカリキュラムの面白さ、社交的機能により注目するようになり、『オンライントレーニング』の登場は、彼らのニーズにぴったりはまるものになった」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年9月9日