調査会社エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが作成した最新の「2021年中国で最も経済的ポテンシャルある都市ランキング」では、EC大手の阿里巴巴(アリババ)の本社がある杭州が首位に選ばれた。上位10都市の顔ぶれを見ると、6位の北京を除き、ほかはすべて華東地域と華南地域に位置し、杭州、深セン、広州、上海、珠海がトップ5で、7-10位には蘇州、合肥、南京、寧波が並んだ。
中国で最も重要な工業・商業都市であり経済的中心地の上海がベスト3に入らなかったことについて、同社は、「ベスト3には入っていないが、力強く規模の大きな小売産業と資産の高い集積度によって、上海は引き続き最もポテンシャルを秘めた消費市場だ」との見方を示した。
中国国家統計局のデータでは、2020年には全国31省(自治区・直轄市)の中で、上海は個人の消費力が最も高く、1人あたり消費支出は4万2536元(1元は約17.0円)で全国トップだった。
同社の指摘によると、21年から25年までの期間中に、ランキングに上がった都市のある広東省、江蘇省、浙江省などは、技術による駆動に一層傾斜した技術駆動型成長モデルからの転換で恩恵を受ける可能性が高い。中でも杭州、南京、蘇州などの都市はより多くの技術型労働者を誘致して集積させることが予想される。
中国の第14次五カ年計画(2021-25年)期間には、中国のR&D(研究開発)投資の年平均増加率が7%を超える見込みで、科学技術分野の発展を支援し、外部の専門的知識・技術への依存度を低減しようとする決意がうかがえる。同計画では製造業の産業チェーンの安全性が重視されており、製造業の基礎がしっかりした都市に恩恵が及ぶとみられる。調査によれば、広東省は製造コスト、労働力の規模、生産関連設備の供給で他の地域よりも高い競争上の優位性を備えるという。
広州と深センに近い珠海、上海と杭州の間にある嘉興などの小都市は、経済面で波及効果により好調さを示している。
同社中華圏の蘇月アナリストは、「都市群、都市圏、産業群の都市化戦略での位置づけがますます重要になるにつれて、企業は戦略計画を実施する際、投資目的地周辺の市場の特徴を十分に考慮しなければならなくなった。これには都市群、都市圏を単位とした経済指標と人口指標、交通ネットワーク、消費習慣などが含まれる。また地域一体化がもたらすボーナスを十分に利用しなければならなくなった」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年9月13日