今年に入ってから米国ではインフレが進み、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが加速しつつある中、米国債の利回りが上昇している。米国では短中期債利回りの上昇幅が長期債を大きく上回ったため、3月28日には長短期債の利回りが逆転し、米国経済のハードランディングや景気後退に対する懸念が高まった。
一般的には債券を長期間保有する投資家のリスクを補うため、国債の償還期限が長いほど利回りは高くなる。長期債の利回りが短期債を下回る異常事態は逆イールドと言われ、景気後退に向かう警戒シグナルとなることが多く、米国ではこれまでにも景気後退前に何度も見られた。
バンク・オブ・アメリカのグローバル・リサーチ部門は、最近の2年債および10年債の利回り動向が米国の景気後退リスクを反映しており、FRBが3月のFOMCで示した「米国経済はソフトランディングできる」という見解に市場は賛同していないかもしれないと指摘した。FRBが「タカ派」色を強めていることは、中期的に経済が直面するリスクを高める可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月5日