今年1−4月は前年同期比7.9％増、4月は前年同月比で0.1％の微増――税関総署が9日発表したデータによると、貿易の伸び率が現在さらに低下しており、低迷の圧力が浮き彫りになっている。

　対外経済貿易大学国家対外開放研究院の荘芮教授は、「かつてない厳しい情勢のもと、中国の貿易の伸び率の低下は完全に理解できる。これまでの基準値が高かったといった客観的な要因のほか、3月以降に国内各地で感染拡大が多発し、特に長江デルタ及び珠江デルタなどの貿易の重鎮が衝撃を受けた。これにロシアとウクライナの衝突などの予想以上の変化の影響が加わり、エネルギーなどの大口商品の価格が急騰し、不確実性が増し、貿易が圧力を受け減速した」と述べた。

　貿易の発展状況を理性的かつ客観的に見るにはどうするべきか。荘氏は、貿易の基礎をしっかり安定させるためには、規模とペースを見るだけでなく、質と効果に注目すべきとの見方を示した。現在は伸び率が変動しているが、依然として見所もある。

　貿易パートナーがより多元化。東アジア地域包括的経済連携（RCEP）協定の発効により、ASEANは1−4月に中国にとって最大の貿易パートナーの地位を保った。中国のEU、米国、韓国などの主要貿易パートナーへの輸出は依然として2桁台の伸び率を保っている。また中国と「一帯一路」沿線諸国の貿易交流が依然として緊密で、貿易額が15.4％増となった。

　貿易の主体による高い強靭性。厳しく複雑な発展環境に直面した民間企業が取り組みを続け、高い伸び率を保ち、引き続き貿易の「主力軍」としての力を発揮した。民間企業の1−4月の貿易額は11％増の6兆1000億元で、中国の貿易総額の48.5％を占めた（前年同期比1.4ポイント増）。

　貿易構造の持続的な最適化。中国の貿易質向上・高度化の重要な力である中国のハイテク技術製品の輸出が好調だ。1−4月の機械・電気製品輸出額は6.7％増の4兆400億元で、輸出全体の57.9％を占めた。

　商務部の盛秋平副部長は、「貿易の発展には挑戦とチャンスが同時に存在している。中国の貿易は現在、産業の基礎が厚く、長期的に好転する流れに変化はない。一連の企業支援策の持続的な奏効、多くの貿易市場主体の積極的な行為が、貿易の安定維持と質向上を支える。今後は中央の方針を深く貫徹し実行に移し、状況の変化を注視し、直ちにより力強く的を絞った措置を講じ、貿易の基礎をしっかり安定させ、貿易構造の持続的な最適化を促す」と述べた。

 「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年5月10日