新エネ車輸出が好調も 中国メーカーは新たな試練に備えよ

中国網日本語版  |  2022-07-15

新エネ車輸出が好調も 中国メーカーは新たな試練に備えよ。中国の自動車製品の総合的な競争力が近年持続的に向上し、中国ブランドが国際市場でより広く認められるようになった…

タグ:自動車 新エネ車 炭素税

発信時間:2022-07-15 14:17:17 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 今年上半期に上海市や吉林省などが感染拡大による「産業チェーン供給断裂」の圧力に見舞われたが、中国の自動車産業は全力で回復に取り組んでいる。

 

 中国汽車工業協会(以下「同協会」)が11日に発表したデータによると、上半期の自動車生産台数は1211万7000台、販売台数は1205万7000台だった。中国の自動車産業チェーンが低迷期を終え、自動車輸出が注目の新たな成長点になっている。統計データによると、自動車企業の今年6月の輸出台数は前年同月比57.4%増の24万9000台で、過去最大となった。

 

 同協会の陳士華副秘書長は、「中国の自動車製品の総合的な競争力が近年持続的に向上し、中国ブランドが国際市場でより広く認められるようになった。同時に関連企業も積極的にチャンスをつかみ、国際市場の開拓に力を入れている」と述べた。

 

 浙江大学国際連合商学院デジタル経済・金融イノベーション研究センターの連席主任で研究員の盤和林氏は、中国の自動車輸出が好調なことには、主に次の2つの理由があるとした。まず、中国は世界最大規模の自動車市場であり、電動化、スマート化、自動運転などの新興技術の策源地、バロメーターでもある。その一方で、国際的なエネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱などにより、ドイツや日本といった伝統的な自動車輸出大国が大きな試練に直面しているが、中国はこれらに的を絞り対応している。

 

 発展が早く市場競争がより十分であることから、中国の新エネ車は海外市場で品質・性能・規模効果の優位性を持つとの分析もある。

 

 しかし盤氏は、「世界的な知名度が徐々に上がるなか、中国自動車メーカーは海外進出の際にどれほど多く売るかだけではなく、ブランドをいかに経営し付加価値を高めるかも考える必要がある。一部の中国ブランドは依然として低価格によるシェア争奪に熱中し、ブランド樹立を十分に重視しておらず、技術の蓄積も不足している。これは国際的な競争への参加に不利だ」と指摘した。

 

 EUの炭素税、「グリーンな壁」に要注意

 

 データによると、中国の完成車の約16%、自動車部品の約22%が欧州に輸出されている。EUなどの先進国は現在、中国の重要な自動車輸出先になっている。これは中国自動車メーカーが伝統的なグローバル自動車メーカーからハイエンド市場を争奪するための必然的な選択でもある。

 

 この過程において、ブランド樹立を強化しプレミアム効果を拡大するほか、中国自動車メーカーにはより厳格化する「炭素税」という重視せざるを得ない問題がある。

 

 EUが自動車産業を炭素税のリストに収めれば、中国自動車産業に大きな影響が及ぶと分析されている。

 

 公衆環境研究センターの馬軍主任は、「中国の輸出会社は炭素税に向けしっかり準備するべきだ。自動車産業は産業チェーンが長く、数多くの川上産業と関わる。中国の自動車メーカーは実行可能な炭素削減プランを早急に見いだし、炭素税というグリーンな壁を一日も早く突破するべきだ」と述べた。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年7月15日

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