一帯一路の核心は「パートナーシップ」
一帯一路のキーワードは「コネクティビティ」「サステナビリティ」「パートナーシップ」だと私は思っている。中でもパートナーシップが「一帯一路」構想の軸だと考える。
今まで国際関係の軸は「アライアンス」、つまり同盟だ。同盟には必ず軍事力が伴い、その核心は「敵味方の関係」だ。しかし一帯一路で強調されているのは「パートナーシップ」であり、これは軍事力で繋がり合うのではなく、ヒトとヒト、モノとモノの交流と交換でお互いがすり合う世界を作っていくというものだ。あらゆる国が互いに協力し、互いに理解し合う世界が、一帯一路の描いた青写真だ。
実際、新型コロナウイルスの流行で世界的に物流が停滞する中、一帯一路の大きな成果である「中欧班列」がアジアと欧州を結ぶ運輸ルートとして、飛躍的に発展している。2011年の開始当初の17両が、2021年には15183両にまで発展することで、輸送量が飛躍的に増加した。中欧班列は中国のみに利益をもたらすものでは決してなく、沿線の中央アジア及び欧州各国へも多くの利益をもたらしている。これは国家間の相互利益とウインウインの達成であり、発展途上国の経済発展を真に推進するものだ。
2017年11月に「一帯一路日本研究センター」を発足させた。当時の日本では毀誉褒貶、様々な意見が飛び交っていたが、私は走りながら考えるというやり方もあるのではないかと呼びかけ続けてきた。経済学者の森嶋通夫さんが、『なぜ日本は没落するのか』という本を1999年に書かれ、「日本の没落を救うのはただ一つ、東アジア共同体を作ることだ」と説いた。一帯一路の現在の規模を見るに、その将来には期待が持てる。世紀の大転換期にいる今、私は日本がその一瞬のチャンスを捉えることを願っている。 (編集=王朝陽)
人民中国インターネット版 2022年10月15日