中国共産党第20回全国代表大会（第20回党大会）報告で、中国の経済力が歴史的躍進を遂げたと指摘された。なかでも「外貨準備が世界一の規模を安定的に維持した」ことは重要なサインだ。統計によると、2022年9月末時点の中国の外貨準備高は3兆290億米ドルで、世界の外貨準備の約4分の1を占めた。

　外貨準備の規模が世界一を安定維持したことは、中国の改革開放と対外経済発展の成果を客観的に反映したものだ。社会主義市場経済体制の確立と対外開放戦略の深化に伴い、中国の国民経済は長年にわたり急成長を続け、対外貿易・外資利用・海外投資の規模も急速に拡大、国際収支は黒字が続いている。外貨準備はその過程で急速に規模拡大し、1992年初めの217億米ドルから、2014年6月には過去最大の3兆9900億米ドルまで増加した。第18回党大会以降、中国の国際収支は変動の中で基本的均衡に向かい、外貨準備も急成長の段階に別れを告げ、一時的にやや減少した。しかし全体として見れば、外貨準備は全体的に安定を維持し、その規模は依然として世界一の座にある。また、中国の外貨準備はどのような基準に照らしてもかなり豊富で、国の経済・金融発展のニーズを満たすことができる。

　外貨準備の基本的安定を保つことは、国の経済と金融の安全を維持するための重要な防衛線であり、中国のマクロ経済の健全な運営のための重要な保障だ。第18回党大会以降、中国の外貨準備は基本的安定を維持しており、中国の経済発展に対する国際社会の信頼を効果的に高め、外部からの衝撃を食い止め、中国の経済・金融の安全を維持する上で重要な役割を担ってきた。外貨準備は国の経済・金融の「貯水池」であり、国境を越えた大規模な資金の動きが経済のファンダメンタルズから乖離することを回避し、国の経済・金融の「安定剤」「バラスト」としての役割を充分に発揮した。ここ数年来、中国の外貨準備は世界経済の情勢変化・国際金融市場の激変・新型コロナの世界的流行などの試練に耐え、中国の外部からの衝撃を食い止める力を高め、重大リスクの防止・解消に向けた戦いに勝つために大きく寄与した。

　第20回党大会報告は、「国家の安全保障体系と能力の現代化を推進し、国家の安全と社会の安定を断固として維持する」と強調した。経済安全保障は国の基本だ。外貨準備は常にリスクの予防を最優先に考え、重大リスクを識別・評価・管理する能力を持続的に向上させるとともに、リスク管理のツールを充実させ、健全なリスク管理および内部統制システムを確立する必要がある。同時に、外貨準備の多角的な運用を積極的に拡大し、国の対外戦略に寄与する必要がある。すでに創設したシルクロード基金・中国ラテンアメリカ生産能力協力投資基金・中国アフリカ生産能力協力基金等を活用したうえで、株式・債権・基金・多国間開発機関の共同融資など多岐にわたる事業スキームを利用し、多層的かつ強力に国家の対外戦略を支援する。資産の安全性・流動性・価値の保全と向上を基本に、持続可能な投資を長期的な目標とし、中国の特色ある運営管理の道を模索・改善し続け、新しい発展枠組みの構築を加速し国家戦略によりよく寄与するために、新たにより大きな貢献をしていく考えだ。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年10月30日