中国国務院第7回全国国勢調査指導グループ弁公室が発表した「2020中国国勢調査分県資料」(以下、「分県資料」)は、中国の新型都市化の「進捗状況」を明らかにしている。「分県資料」によると、現行の都市規模の分類基準により、中国には大都市が105都市あるとされている。人民日報海外版が報じた。
105都市の市内人口が100万人超に
中国国家統計局の統計によると、2021年末の時点で、中国には691都市がある。内訳は、地級(省と県の中間にある行政単位)以上の都市が297都市、県級市が394都市となっている。では、「大都市」と呼べる都市はどれほどあるのだろうか?
国務院が2014年に発表した都市規模分類基準によると、都市のタイプは市街地の常住人口に基づいて分類される。市街地の常住人口が1000万人以上の場合は「超特大都市」、500万人以上1000万人以下の場合は「特大都市」、300万人以上500万人以下の場合は「Ⅰ型大都市」、100万人以上300万人以下の場合は「Ⅱ型大都市」と分類される。これら都市全てを「大都市」と呼ぶことができる。
「分県資料」によると、中国全土には現在、大都市が105都市ある。内訳は、7都市が「超特大都市」、14都市が「特大都市」、14都市が「Ⅰ型大都市」、70都市が「Ⅱ型大都市」となっている。超特大都市のトップ3は上海、北京、深センで、市街地人口はそれぞれ1987万3000人、1775万2000人、1743万8000人となっている。
地域別で見ると、大都市が最も多いのは東部で54都市。中部エリアと西部エリアがそれぞれ21都市、東北エリアが10都市となっている。省別で見ると、西蔵(チベット)自治区を除く全国30省・区・市全てに大都市があり、最多は江蘇省で大都市が11都市ある。広東省と山東省にも大都市が10都市ある。
専門家は、近年、大都市の人口が増えている主な原因は人口の移動で、自然増加ではないと分析している。国家統計局の統計によると、中国では人口の流動が日に日に活発になっており、2020年には全国の流動人口が3億7600万人に達した。これは総人口の26.6%に当たる。
経済発展も大都市の形成を促進している。大都市105都市のリストを見ると、その数が最も多い江蘇省、広東省、山東省の域内総生産も全国上位となっている。
4県級市が「Ⅱ型大都市」に
多くの県級市、県の行政中心地が、「大都市」リスト入りの「切符」を手に入れようと躍起になっている。
2021年末の時点で、中国には県級市が392市、県の行政中心地が1482ヶ所ある。うち、県の行政中心地の総人口は1億3900万人となっている。県域経済が急速に発展するにつれて、各地で人口や経済規模の大きい県級市、県の行政中心地が続々と登場している。「分県資料」によると、江蘇省昆山市、福建省晋江市、浙江省慈渓市、義烏市の4市の市街地の常住人口が100万人を超えて、「Ⅱ型大都市」となっている。うち、昆山市の市街地人口は141万4300人、義烏市は118万4200人、慈渓市は106万1900人、晋江市は101万2500人となっている。
県級の大都市は、人口が多いだけでなく、経済も発展している。上記4県級市は2021年の中国の地域別域内総生産トップ10入りを果たし、それぞれ1位、4位、6位、10位となっており、地域経済の発展にもそれぞれの特徴を備えている。
専門家は、市街地人口が比較的多く、経済が発展したさらに多くの県級市が「大都市」に仲間入りするようになると予想している。例えば、浙江省瑞安市の市街地人口は97万9000人、江蘇省江陰市と常熟市は83万6000人と82万9000人となっており、「Ⅱ型大都市」の基準到達目前となっている。県級市や県の行政中心地は今後、都市化の重要なキャリアとして、近隣の大都市建設発展に溶け込み、流動人口の受け入れ先となるほか、県域内の農業転移人口(農業を辞めて都市部に出た人)の受け入れ先ともなり、都市と農村の融合発展を下支えする役割を担い続けると見られている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月9日