中国は12日、米国の対中半導体などの輸出規制について、世界貿易機関（WTO）に提訴した。

　商務部は12日夜、記者からの質問への回答を公式サイトに掲載した。「米国は近年、絶えず国家安全の概念を広め、輸出規制措置を乱用し、半導体などの製品の正常な国際貿易を妨げている。世界の産業チェーンとサプライチェーンの安定を脅かし、国際的な経済・貿易の秩序を破壊している。国際的な経済・貿易ルールに違反し、基本的な経済の法則に背き、世界の平和・発展の利益を損ねている。これは典型的な保護貿易主義の行為だ。中国側のWTOへの提訴は、法的手段により中国側の懸念を解消し、自国の合法的な権益を守るための必要な措置だ」

　中国の提訴には、米国の「対中半導体包囲網」の強化という背景がある。ブルームバーグは12日に匿名の消息筋の話として、日本とオランダが米国による対中半導体・設備輸出規制に加わることで「原則的に同意」したと伝えた。その後、米国のサリバン大統領補佐官（国家安全保障問題担当）は、「米国は中国への半導体輸出を規制するため、すでに日本やオランダなどの協力パートナーと対話している」と述べた。

　13日に「環球時報」の取材を受けた中国の専門家は、「米国のこれまでのやり方によると、このような報道には世論の圧力を利用し、オランダなどの国に米国の対中包囲に加わるよう迫る狙いがある。中国のWTOへの提訴は法理的にも道義的にも絶対に有利だ。これは米国の包囲の効果をある程度弱める。しかし米国の対中抑制措置のエスカレートに伴い、我々はやはり独自の研究開発を強化することで初めて米国からの締め付けを回避できる」と述べた。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年12月14日