「全国炭素排出権取引市場約束履行第1期報告書」(以下「報告書」)がこのほど正式に発表された。
この生態環境部が提出した全国炭素排出権取引市場(以下「全国炭素市場」)の成績表によると、全国炭素市場約束履行第1期の排出枠の累計取引量は1億7900万トン、累計取引額は76億61000万元だった。市場の運行は平穏かつ秩序正しく、取引価格が安定しつつ上昇した。取引状況は全国炭素市場の基本的な位置づけと完全に合致した。
全国炭素市場は、気候変動に積極的に対応する中国の国家戦略の重要な構成部分であり、また中国がCO2排出量ピークアウト及びカーボンニュートラルの目標を達成するための重要な政策ツールでもある。
生態環境部の責任者によると、従来の行政手段による炭素排出削減と比べると、炭素市場は排出枠の管理制度により市場の資源配置効果を十分に発揮する。温室効果ガスの排出削減の責任を企業に委ね、企業による炭素排出管理の強化を促す。また市場メカニズムを利用し合理的な炭素価格を発見し、企業の炭素排出削減に柔軟な選択肢を提供し、全社会の排出削減コストを引き下げると同時にグリーンで低炭素な産業への投資をけん引する。これは全社会の生産・生活方法の低炭素化と長期化を促進する効果的な手段であり、経済発展と炭素排出削減の関係を適切に処理する効果的な手段を提供した。
清華大学エネルギー環境経済研究所の張希良所長は、「全国炭素市場に収められる2000社超の発電企業の炭素排出量は全国の約4割を占めている。これはEU炭素市場の2倍以上だ。この2000社超の発電企業の炭素排出を管理することは、中国の省エネ・排出削減の要点を把握したことを意味する」と述べた。
全国炭素市場の建設は複雑な系統的事業、無から有の画期的な事業で、現在もスタートの段階にある。
業界関係者は、「最も重要なのは流動性の引き上げ、高品質の発展の実現だ。法制度の整備、取引体制の改善、情報・データの透明性などの面に取り組むべきだ。うち立法は全国炭素市場の健全かつ秩序正しい発展の重要な保障だ。取引体制の改善は炭素価格及び市場の流動性に直接の影響をもたらす。データの信憑性と透明性は炭素市場建設の礎だ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月6日