「2023年の農村振興重点活動の全面的な推進の取組に関する中共中央と国務院の意見」が13日、発表された。この「2023年中央1号文書」は農村振興の全面的な推進の重点方向を示し、「重農強農」の強いシグナルを発した。
「同意見」が、「浄菜」(洗浄・消毒済みの野菜)やセントラルキッチンなどの産業標準化・基準化水準を高め、「預制菜」(調理済み食品 ・レトルト食品)産業を育成・発展するとしたことに注意が必要だ。預制菜が中央1号文書に書き込まれるのは初めてであり、業界内で大反響を呼んでいる。
農業農村部食品・栄養発展研究所副研究員、食品工学博士、農業経済管理博士研究員の劉鋭氏は記者に、「預制菜は農産物加工及び食品工業に属する、農村振興を実現するための有力な足がかりだ。第1・2・3次産業の融合発展(農産物生産業・加工業・販売サービス業の融合)は、農業の高品質発展の鍵だ」と述べた。
中国グリーン食品協会グリーン農業・食品栄養専業委員会副秘書長の聶瑩氏は、「預制菜産業の発展は、表面的には便利でスムーズで美味しい食事という現在の消費者の需要を満たすが、これはまた第1・2・3次産業の融合をより良く実現し、有力資源を合理的に配置・統合し、産業集積効果を形成する。預制菜産業の育成・発展は、規範化・標準化により農産物の品質安全問題、優良農産物の供給問題、農民の所得増問題を解消する。また農産物加工、貯蔵・輸送、消費市場の安定成長の問題を解消する」と述べた。
資本から注目されている預制菜産業は現在、波に乗っている。艾媒咨訊のデータによると、中国の昨年の預制菜市場規模は4196億元と見積もられているが、今後は高い成長ペースを維持し、26年には1兆720億元にのぼる見込みだ。1兆元クラスの「ブルーオーシャン」が間もなく誕生する。
劉氏は、「政策のボーナスの持続的な刺激を受け、今後数年に渡りより多くの企業が預制菜産業に進出し、市場の競争が激化する」と述べた。
聶氏は、「資本の勢力圏拡大による預制菜の発展は、今後数年内に成長ペースを落とし、理性化に向かう。これは関連企業が総合性人材を集め、製品の種類を整理し、差別化された製品を探し、製品の競争力を高めるための重要な時期だ」と述べた。
近年の急発展を経て、製品の種類が単一的で、研究開発とイノベーションのボトルネックが存在するといった、預制菜業界の弱点が徐々に露呈している。これについて劉氏は、「標準化は預制菜製品の重要な特徴であり、大きな難点でもある。預制菜メーカーは盲目的に拡張するのではなく、専門的な生産管理標準化体制と研究開発体制を構築し、標準化を基礎とし自動化・デジタル化生産に向かうよう取り組むべきだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月15日