中国の旧暦大晦日、奇瑞製の3000台超の車を載せたRORO船が上海港を出発した。約1カ月の航行を経て欧州市場に到達する予定だ。先ほどの春節中、奇瑞汽車有限公司は欧州、中央アジア、南米などの11カ国に2万4000台を発送した。
中国自動車メーカーは近年、産業の強みとイノベーション・グリーン発展戦略により海外市場への進出を加速している。これを支えるのは世界の先端要素を集めた力であり、ウィンウィンの発展を促進する胆力を示している。
「中国車を気に入っている」
ロシア・モスクワの市民であるヴィノグラードフさんは中国ブランド「哈弗」のSUVを購入した。ヴィノグラードフさんは新華社に、「2021年に友人に勧められ購入した。1年以上になるが、乗車体験は非常に素晴らしく、気に入っている」と述べた。
中国車は近年、ロシアでよく見かけるようになった。ロシアではこの1年だけで中国ブランドのディーラーが487店オープンした。これはロシア人消費者の中国車への好みによるものだ。
中国自動車メーカーの比亜迪は今年の年初、日本市場でフル電動SUV「ATTO 3」を発売した。「加速が安定的で滑らか」「車内は非常に静かだ」などと、現地の各界関係者から好評を博した。「日本経済新聞」は、「この自動車は航続距離が同レベルの日本製EVよりも割安で、しかも自動緊急ブレーキシステムなどのハイテク装備も大きな見所だ」と伝えた。
フィリピンで自動車を販売するジェイ・ジェレ氏は、「ある人は中国車を試乗した後、中国の自動車産業の発展の程度に驚かされ、試乗体験により中国製への認識が変わったと述べた」と述べた。
メキシコ国家統計地理情報局のデータによると、メキシコは昨年1−11月にかけて自動車を約65万2000台輸入したが、うち中国製は約23.5%だった。中国はメキシコにとって最大の自動車輸入先となり、これに米国、ブラジル、日本、インドが続いた。
中国汽車工業協会のデータによると、昨年の中国の自動車輸出台数は前年比54.4%増の311万1000台にのぼった。うち新エネ車の輸出は120%増で、飛躍的な突破を実現した。
時代の変化に積極的に対応
世界の自動車業界の発展は現在、重大な変化を迎えている。自動車の電動化も持続的にペースアップしている。中国自動車メーカーは変化を受け、積極的に時代の波に順応し、グリーンでグローバルな発展の道を歩んでいる。
名古屋大学の野辺継男客員教授は、中国のEV業界の持続的な発展について、「中国は外資系自動車メーカーを自国での生産に招き、かつ自動車外資政策を最適化した。先進的な製造技術を学ぶと同時に、地場バッテリーメーカーを育成し、EV産業クラスタを形成した」と述べた。
独デュースブルク自動車研究センター長のフェルディナンド・ドゥデンヘーファー氏は、「中国は急速に自動車大国になっているが、EVが特殊な力を発揮している」と述べた。
整った産業チェーンは、中国EVメーカーの大きな強みだ。例えば比亜迪は安徽省で完成車生産・製造拠点を建設しており、黒鉛負極材料などの関連メーカーも新エネ車を支えている。
同時にグローバル化発展戦略により、中国車メーカーは技術・人材・市場マーケティングの面で、海外提携先と統合し相互補完している。上海汽車集団股份有限公司を例とすると、同社は上海とロンドンの2チームを集め、海外消費者の動力や操縦性の好みを十分に考慮した上で、グローバル化された車種の設計を行っている。
上汽GMの王永清総経理は、「中国はもはやグローバル体制における補充ではなくなっており、中国のスマートな製造が世界から認められている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月20日