中国の太陽光発電製品の昨年の輸出額は前年比67.8%増で、電気自動車やリチウム電池と共に輸出の「新たな3品目」になった。国産太陽光発電(シリコンチップ、太陽電池、モジュール)の昨年の輸出総額は80.3%増の約512億5000万元。
中国が昨年輸出した風力・太陽光発電製品は、他国のCO2排出量を約5億7300万トン削減し(合計で28億3000万トン)、世界の同期の再生可能エネルギー換算のCO2排出削減量の41%を占めた。
中国の輸出製品は近年、衣料品や手工芸品などの低付加価値品目に限られず、多くのハイテク製品が増えている。太陽光発電はその代表格だ。商務部対外貿易司の李興乾司長は、「昨年は電気自動車、太陽光発電、リチウム電池という新たな3品目の輸出を始め、中国のハイテク、高付加価値、グリーンなモデル転換けん引の製品が輸出の新たな成長源になった」と述べた。
晶科能源股份有限公司の投資家事業責任者の魏添氏は、「当社の主な輸出製品は太陽光発電モジュールで、製品とサービスで世界の160を超える国と地域の3000社超の取引先をカバーしている。当社の昨年の世界における太陽光発電モジュール出荷量は44GWを超えた。世界で初めてモジュールの累計出荷量が100GWを超え、N型高効率太陽光発電モジュールの出荷量が10GWを超えた当社は、長年に渡り世界のモジュール出荷量のトップを占めている。世界で10枚設置された太陽光発電モジュールのうち1枚が当社製だ」と述べた。
中国の太陽光発電製品の輸出先はどこにあるのだろうか。協鑫集成科技股份有限公司の執行総裁である張坤氏は、「当社の主戦場は欧州で、またブラジル、メキシコ、チリ、アルゼンチンなどでも事業展開している」と述べた。
説明によると、中国の太陽光発電業界は当初、海外から輸入した技術や設備などに頼っており、製品もその多くが海外に輸出されていた。2008年のリーマンショックの影響を受け、国際市場で太陽光発電製品の需要が激減した。2012年になると一部の国が反ダンピング・反補助金措置を打ち出し、業界に大きな衝撃を及ぼした。外需の疲弊と国内の供給不足により、太陽光発電業界は厳しい冬を迎えた。
幸い、政策が「恵みの雨」をもたらした。国務院は2013年に「太陽光発電産業の健全な発展の促進に関する若干の意見」を通達し、国内市場の拡大、技術水準の向上、産業のモデル転換・高度化の加速などを打ち出した。同時に太陽光発電製品の国際市場における合理的なシェアの維持を求め、貿易及び投融資協力が新たな進展を手にした。
国家発展改革委員会エネルギー研究所の研究員である時璟麗氏は、「太陽光発電固定買取価格補助などの支援を受け、中国の太陽光発電業界の活力が効果的に引き出され、成長の流れを呈し始めた。第13次五カ年計画期間中(2016−20年)、国産多結晶シリコン、シリコンチップ、太陽電池、モジュールの出荷量が世界で高いシェアを占めた。第13次五カ年計画期間(2021−25年)に入ると、中国の太陽光発電製品の輸出がさらに好調になった」と述べた。
業界も自社の取り組みに専念し、技術を磨いている。関連機関の観測によると、太陽光発電技術の持続的なイノベーションと更新により、過去10年間で中国の太陽光発電の1kWhあたりのコストが8割超減少した。グリーンで低炭素なモデル転換が世界の共通認識になり、よりクリーンで環境にやさしい太陽光発電製品の提供が中国太陽光発電企業の取り組みの方向になっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月21日