英紙:米による対中「経済的冷戦」は世界に災難

中国網日本語版  |  2023-02-21

英紙:米による対中「経済的冷戦」は世界に災難。

タグ:デカップリング グローバル化 貿易 秩序

発信時間:2023-02-21 15:43:52 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 英紙『タイムズ』が16日、「中国との経済的冷戦に勝者なし」という記事を掲載し、主に次のような内容を伝えた。

 米国の国内政治は、中国経済デカップリングという深刻な結果を招きつつあり、新たな冷戦勃発のリスクを高めている。中国の高まり続ける自信と技術分野における強い競争力が、米国の安全を脅かしていると考えられている。自らを守る米国の決意は、第二次世界大戦後のルールに基づき築き上げられた世界秩序を破壊するかもしれない。その結果、すべての国、すべての業界が深く影響を受ける可能性が高く、全世界をより安全にさせるわけではないと思われている。

 中国との対抗は、二極対立が進む米国を団結させることができる。ドナルド・トランプ氏が築いた経済的障壁をいっそう補強しているジョー・バイデン氏は、米国の半導体技術を獲得しようとする中国の機会を奪い、中国企業を米国のサプライチェーンから排除させることを目指す『the CHIPS and Science Act』(通称・CHIPS法)に署名し、クリーンエネルギーへの大量の補助金によりヨーロッパ盟友との関係を緊張化させる『インフレ削減法(Inflation Reduction Act of 2022)』案を可決した。両案のいずれも世界貿易機関のルールに違反しているようだが、米国は世界貿易機関の上訴機関の新任裁判官の任命を妨害し続けているため、ルール違反かどうかの裁決は行われなくなっている。

 同時に、ワシントンの一部の影響力のある声は、「もっと遠いところまで行きたい」と期待している。例えば、米政府と密接な関係を保つシンクタンクの民主主義の防衛のための財団 (Foundation for Defense of Democracies、FDD)は、中国の「最恵国」待遇を撤廃するようバイデン氏に呼びかけている。この待遇は中国が他のすべてのWTO加盟国と同じ貿易条件を享受できることを保障しており、その取り消しは正真正銘の敵対行為になるだろう。同基金会はまた、中国の買収行為を阻止するためにより厳しい米国型投資審査政策を講じるようイギリスを含む欧州諸国に呼びかけ、同盟国や友好国など近しい関係にある国に限定したサプライチェーンを構築するフレンド・ショアリング(friend-shoring)を提唱している。

 グローバル貿易秩序の破壊は、世界各国に明らかなリスクを招くことになる。国際通貨基金(IMF)の予測によると、世界経済の深刻な断片化は世界諸国の国内総生産(GDP)に7%近くの損失をもたらす可能性があり、技術デカップリングの影響を算入すると、一部の国の損失はGDPの12%まで達するかもしれないと見られている。これらの損失で最も大きな影響を受けるのは、間違いなく貿易を通じて経済成長を実現させようとする低所得国だろう。

 貿易を通じて貧困から脱却するチャンスを奪われれば、発展途上国はより不安定になり、新たな世界的な衝突の根源になる可能性があることが一番大きなリスクである。もう一つのリスクは、悪化しつつある中米の緊張情勢がグローバル秩序をかく乱させており、一部の国は中米対立を利用して「漁夫の利」を掴み取ろうと企むようになる。実際、発達していない国々は西側が主導する国際秩序に自信を喪失しつつある。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月21日

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