国家発展改革委員会が発表した統計によると、2022年の全国の天然ガス見かけ消費量は3663億立方メートルで前年比1.7%減少し、中国の年間の天然ガス消費量としては初の減少となった。
天然ガスは化石エネルギーの中で最もクリーンなエネルギーで、エネルギーの低炭素モデル転換において最も過渡優れた商品とされている。天然ガス消費量の減少の主な要因として以下のことが考えられる。
ロシアとウクライナの衝突の影響で、欧州の天然ガス供給が緊迫し、価格が高騰し、一時は10倍近くになった。近頃は価格がやや低下しているが、数年前と比べてまだかなり高い。需要の法則に基づくと、価格が上昇し、ある程度の代替が可能であれば、需要は縮小する。この影響で、2022年の国内の液化天然ガス輸入量は約7年ぶりに減少し19.5%減となった。需要収縮はグローバル市場にも現れている。国際エネルギー機関(IEA)の統計によると、2022年の世界の天然ガス消費量は前年比0.78%減少した。
2022年の中国の産業ガス使用量は1310億立方メートルで前年比2ポイント減少。
そのほか、天然ガス自動車の保有台数も減少した。純電気自動車と比べて、天然ガス自動車は維持費が高く、保有台数は減少し、天然ガス需要にも影響した。
しかし、これらの影響は徐々に緩和されている。先日、オランダTTF先物相場は一キロワット時50ユーロを下回り、2021年8月以来の最低水準を記録した。天然ガス供給が充足し、代替エネルギーが補い、工業分野が省エネ措置をとっていることなどが要因と見られる。
また、今年の『政府活動報告』は、2023年の経済成長目標を5%前後に設定した。多くの国際機関も中国経済を楽観視し、中国の経済成長予想を上方修正している。
このような状況の中、昨年の天然ガス消費量の減少は短期的な現象だといえる。長期的に見て、中国はまだ天然ガス消費量増加の段階にある。中国は2023年に天然ガスが一次エネルギー消費に占める割合を15%前後にする計画。したがって、天然ガス消費量にはまだ大きな増加余地がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月27日