中国各地では、消費シーンの刷新や消費条件の改善、文化・観光商品の拡充などの取り組みにより、内需拡大や消費促進を図り、市場経済を活性化させている。中でも、今年に入ってから力を入れて取り組んでいるのが消費シーンの刷新だ。
北京市では、さまざまな地域や人々の集団を中心に、多様で質の高い特色ある消費シーンを打ち出している。
ファミリー向けの「親子楽園」というキッズスペースや若者向けのファッショナブルな流行発信地などで、市場供給を大いに拡充させている。上海市では、「1街区につき1テーマ」という特色ある商業ランドマークを打ち出し、ここ数年で特色ある商業地区82カ所を整備。周辺の文化やレジャー、ヘルスケアなどの消費要素を結び付けて、景観、文化、観光資源を一体化した。
広東省広州市では、多くの歩行者天国で週1回、特色ある創作フェアやプロモーション活動を催し、大勢の観光客を買い物や消費に呼び込んでいる。黒竜江省ハルビン市では、ネットで人気の観光地になったことを活用し、独自スタイルのファッショナブルでクリエーティブな商業圏を築き上げ、消費を活性化させている。
重慶市では、風光明媚な景色を活用し、独自色のある川沿いの商業街区に新たな消費シーンを設定し、大勢の観光客を呼び込んでいる。消費条件の改善により、古い町並みに新たな活力が生まれ、「社区商業」というコミュニティ内の住民向けに提供する各種サービスやビジネスが活気付いてきている。
山東省青島市の歴史ある商店街「百年老街区」では、再開発により例年に比べ観光客が大幅に増え、周辺のスーパーマーケットの売上も前年比で20%以上増加した。四川省成都市では、川辺の憩いの場や立体交差橋の下などの使われていないスペースを利用して、自転車やカヤック、バスケットボールなどができる運動場を設置し、「玄関先の消費圏」を構築している。貴州省貴陽市では今年、徒歩15分以内で日常生活で必要とするものにアクセスできる「15分生活圏」の構築や古い町並みの再開発、特色ある小型店舗の整備に取り組んでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月5日