中国の大地は春の息吹に満ちあふれ、観光市場は持続的に回復しつつある。各地では、焦点を絞った新たな観光シーンを創出してサービスの質を向上させ、新たな消費活力を喚起しようとする動きが見られる。
暖かい春風と絵のような絶景が広がる中、新しい観光ルートが各地で打ち出され、この春の観光消費を押し上げる目玉となっている。北京では、春の花をテーマにした10の観光ルートが発表され、16の都市部をカバーしている。潭柘寺では樹齢100年のモクレンを、国家植物園では千種の花を観賞することができる。黒龍江省では、バードウォッチングやハイキングなどの特色ある企画が設けられ、省内240以上の観光スポットをカバーしている。陝西省西安市が発表した「春に誘われ長安へ」をテーマにした春の観光ルートは、花見・農業・キャンプ・サイクリングなど、さまざまな文化・観光業態をカバーする。江蘇省塩城市の大洋湾では、新たにヘリコプターによる遊覧飛行がスタートし、6千ムー以上にわたる桜の絶景を楽しむことができるようになった。福建省の武夷山では、茶芸や茶摘みオペラ・ダンスなど、「茶の郷」をテーマにした多くの観光商品が発売された。
良質な文化観光商品の供給を充実させるとともに、新たな観光消費シーンの創出も加速している。天津の五大道では、春の美しさが時流に即した消費シーンに広がり、クリエイティブバザーやバルコニーカフェなどのイベントが人気だ。河南省開封市は古都の特色を活かし、無形文化遺産や史跡・旧跡めぐり、豫劇の鑑賞など、多彩なイベントで観光客が歴史文化の魅力に浸れるようにしている。海南省三亜では、充実した海のアクティビティを楽しめる宿泊施設や新しい遊び方が魅力となり、海と熱帯の風情や親子イベントも観光客の人気を呼んでいる。
文化観光市場が着実に回復するにつれ、各地方政府は政策の最適化とサービス向上を進めている。崑崙山脈の奥深くに位置する新疆ウイグル自治区克州塔尔郷では杏の花が満開を迎えるなか、地元では民宿で特色ある民俗イベントが展開され、ドライブ愛好家に良質なサービスを提供している。
貴州省黄果樹の滝は一年で最も見応えのある時期に入り、地元では観光列車が運行、「夜の黄果樹観光」イベントもスタートし、昼も夜も盛り上がりを見せている。湖南省の張家界では国内外向けの様々な観光プロモーションが展開されており、湖南省政府は世界的な観光地建設に向け近く3億元の特別資金を割り当て、文化観光産業の回復を加速させるとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月16日