新エネ車市場の高成長のけん引を受け、中国の動力電池設備容量が記録更新を続けている。リチウム資源を大量消費する新エネ車の持続可能な発展は、リチウム資源にどのような影響をもたらすのだろうか。関連原材料の価格はどうなるのだろうか。
16日に開かれた2023年世界動力電池大会先行イベント「オンライン宜賓」ハイレベル対話において、業界の複数の専門家及び就業者がこの問題をめぐり議論した。
中国科学院の欧陽明高院士は、世界のリチウム資源の供給に問題はなく、リチウム当量で計算した可採埋蔵量は1億トン弱で、70億台超の使用を支えられるとの見方を示した。
リチウム資源は埋蔵量が充分だが、リチウム関連の原材料価格が大幅に変動している。電池級炭酸リチウムを例とすると、この2年ほどで1万トンあたり5万元から60万元に高騰し、最近になり20万元以下に急落した。
遠景動力技術有限公司執行取締役、中国区総裁の趙衛軍氏はこれについて、次のように分析した。前期の「塩湖リチウム回収」技術の発展の初期はビジョンが不透明で、低価格で推移した。中期は市場の需要の刺激を受け、各方面の資本が投機的に取引し、炭酸リチウム価格が急騰した。後期は生産能力の周期的な放出に伴い、炭酸リチウムも商業の本質に回帰し、価格が徐々に理性化に向かった。
欧陽氏は、炭酸リチウム価格の大幅な変動は、業界の発展にとって不利と見ている。合理的なリチウム価格は低すぎてはならず、1トンあたり10-20万元が合理的だという。「リチウム価格は合理的な範囲内で推移するべきだ。大幅な変動を避けることで業界の持続可能な発展を維持できる」
寧徳時代新エネ科技股份有限公司の呉凱首席科学者は、炭酸リチウムの価格の変化は予測が難しいが、終始その価値をめぐり変動すると述べた。「リチウム(資源)の低コストのルートは塩湖のかん水、それから鉱石、雲母もしくはリチア輝石で、価格は常に価値によって変動する」
欧陽氏はまた、リチウム資源の輸入品の経済性は依然として国産を上回ると述べた。中国のリチウム資源の対外依存度が高いという問題が現在も残されている。国内のリチウム資源の安全供給を保証するため、まずは回収を奨励し、次にナトリウム電池など、適度に多元的に発展させるべきだという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月18日