今年4月に人民元預金が大幅に減少したことが、市場で注目されている。中国人民銀行(中央銀行)が11日に発表した最新のデータによると、4月の人民元預金は全体的に4609億元(1元は約19.4円)減少し、そのうち世帯預金の減少幅が最も大きく、1兆2000億元に達した。
東方金誠国際信用評估有限公司の王青首席マクロアナリストはこれについて、「4月の銀行の期末決算はすでに終わり、季節的法則によると、個人の預金が資産運用に使われ、同月の世帯預金残高が減少した可能性は排除できない。4月の資産運用規模が再び増加に転じたことも、この見方の正しさを示唆している」と述べた。
中信証券股份有限公司の明明チーフエコノミストは、「個人部門の預金は過去数年間にわたり4月にはいずれも減少し、季節的な特徴がある。しかし、今年の減少幅は2022年を明らかに上回る。その重要な原因の1つは個人の貯蓄意欲の低下であり、あるいはリスク選好の回復上昇、消費の回復上昇、預金金利の低下によるものとも考えられる」と述べた。
招聯消費金融有限公司の董希淼首席研究員は、「資本市場の安定、資産運用商品の価値回復にともなって、個人の投資・資産運用への意欲が徐々に回復し、預金の一部が資本市場と資産運用市場に流れ込んだ。最近の金の急速な値上がりにより、個人の中には金関連の資産の割合を増やした人もいる。同時にここしばらく続いている預金金利の持続的な低下とも関係がある」と述べた。
取材に答えた専門家はそろって、「今後、世帯預金の増加傾向は徐々に落ち着き、成長率は正常なレベルに戻るだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年5月13日