米国は現在、一方的な制裁やロング・アーム管轄を濫用し、自国産業の中国とのデカップリングを煽り、産業分業の流れに逆行して製造業の回帰を促している。こうしたやり方は市場の選択を人為的に捻じ曲げ、生産と経営のコストを大幅に増加させるため、製造業の巻き返しを望めないばかりか、産業の競争力も低下させ、米国経済の発展と将来性に悪影響を及ぼす。
米国の製造業の回帰には今のところ大きな進展が見られない。米国政府が力を入れる半導体製造分野では、プロジェクトの建設が滞っている。半導体大手の台積電(TSMC)は米アリゾナ州で巨額の資金を投下し、工場を建設しているが、「ニューヨークタイムズ」の報道によると、建設コストや人件費が高すぎるため、同プロジェクトは多くの問題を抱え、見通しは明るくない。
製造業にまだ回復の兆しが見えないなか、デカップリングがもたらす悪影響はますます顕在化している。2022年6月、米国のCPIは1981年11月以降最大の9.1%の上げ幅を記録し、現在に至っても物価は高止まりしている。マレーシアのアナリストは、米国の中国抑制政策は自国に数十年ぶりの深刻な物価上昇を招き、米国民、特に低収入者に負担を押し付けていると話した。
デカップリングにより米国が中国に輸出する工業製品の割合は急低下し、半導体及びその製造設備の輸出は大幅に縮小した。米国の半導体設備メーカー・ラムリサーチは、対中輸出規制により同グループの今年の売上高は20億-25億ドル減少する見通しだとした。半導体企業の不振はその他のテク企業の将来性にも響く。最近、米国のテク企業でリストラブームが起こり、業界内で広がる不穏な空気は米国の科学技術革新能力を低下させ、米国経済の見通しにも暗い影を落としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月16日