石炭、石油、天然ガスなどの聞き慣れた伝統的なエネルギーや、風力や太陽光などの再生可能エネルギーと比べると、地熱エネルギーはあまり知られないエネルギー資源だ。しかし利用状況を見ると、地熱エネルギーは好評を博している。
データによると、中国の2020年末時点の地熱直接利用規模は世界の38%を占める40.6GWで、長年連続で世界一を維持している。中国の地熱エネルギー暖房・冷房供給面積は累計で13億9000万平方メートルにのぼり、過去5年の年平均増加率は約23%。
地熱が注目されているのはなぜだろうか。業界関係者によると、これには広く分布し、埋蔵量が多く、安定的で信頼性が高く、炭素排出削減効果が顕著といった理由がある。中国におけるエネルギー資源の分布は通常、地域的な偏りがある。例えば西北地区は石炭、風力、太陽光などのエネルギー資源が豊富で、南方地区は水資源が比較的豊富だ。しかし地熱エネルギーは広く分布しており、使用中に炭素をほぼ排出しない。「ダブルカーボン」の目標を受け、クリーンな地熱エネルギーが自ずと注目されている。
しかし実情を見ると、中国は地熱資源が豊富で、その直接利用規模で世界一だが、地熱エネルギー発電設備容量はわずか50MW超と世界の1%にも満たない。風力や太陽光などの再生可能エネルギー設備容量と比べると、50MWという数字は非常に小さい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年8月3日