記者は最近、河北省雄安新区、陝西省咸陽市、雲南省大理市などを訪れ、地熱エネルギーは冷房だけでなく、北部のクリーン暖房用にも開発・供給されていることを知った。
一部の地熱資源が豊富な地域では、地熱水が地元の温泉保養産業の発展を後押ししている。また、高温地熱エネルギー資源がある地区では、地熱エネルギーが発電の電源としてその他のエネルギーと「連携」し、電力使用の安定を維持している。
地熱エネルギーとは、地球内部の岩体、流体、岩漿体に存在し、人類が開発利用できる熱エネルギーを指す。地下約200メートルまでのものは浅層地熱資源、地下200~3000メートルで温水として存在するものは熱水型資源で、高温岩体は地下3000メートル以下に埋蔵されている。
これほど深い場所に「隠れて」いる地熱エネルギーをどのようの掘り出し、利用するのか。業界関係者によると、まずは探査技術が必要となる。地下で石油ガスを探し、地熱資源を採掘するには、資源の有無を判断する必要がある。地震探査などの手段を用い、岩層ごとに地震波が伝わる速度曲線を調査し、地熱エネルギーがある場所を計算する。続いて、地熱掘削技術を用い、地下の高温水などの地熱資源を引き上げ、利用する。
従来の石炭燃焼などによる暖房と比べて、地熱エネルギーはエコで経済的である。
実際、冬の暖房だけでなく、地下の熱エネルギーは夏の冷房にも使用できる。雄安新区科創センター中試基地に入ると、室外が30度以上の高温でも、室内は涼しく、壁掛け温度計は25度になっていた。
分布が広く、貯蔵量が多く、ニアゼロエミッション 地熱エネルギーはメリットが多い
従来からある石炭、石油、天然ガスなどのエネルギー、風や光などの再生可能エネルギーと比べて、地熱エネルギーはまだそれほど知られていないが、利用状況を見ると、支持されている。
統計によると、2020年末時点で、中国の地熱直接利用量は40.6ギガワットで世界の38%を占め、長年続けて世界トップに立っている。中国の地熱エネルギーの冷暖房供給面積は13億9000万平方メートルで、この5年の年平均伸び率は約23%となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年8月2日