12日付英紙「インデペンデント」は「スナク氏の高速鉄道ハイスピード2(HS2)の縮小計画により交通渋滞が生じる。トラック会社が鉄道で貨物を輸送できないからで、運転手に苦しみをもたらす」と伝え、スナク英首相の高速鉄道縮小計画を批判した。スナク氏が今月上旬に同事業の縮小を宣言すると、英国の各界から批判を浴びた。
この情報は党内で猛反発を起こした。保守党のキャメロン元首相は2013年に、HS2を経済の「成長エンジン」とした。キャメロン氏はX(旧ツイッター)で、「スナク氏の決定は間違いだ。多くの人々は今日の発表を振り返った際に、この千載一遇のチャンスがいかに失われたかを知りたがるだろう」と投稿した。
上海外国語大学上海グローバルガバナンス・地域国別研究院英国研究センターシンクタンクの李冠傑研究員は12日、「環球時報」の記者に、「キャメロン政権が北方経済エンジン計画を打ち出した際、中国と英国は蜜月関係だった。キャメロン氏は中国が現地の原発と高速鉄道事業に投資し、建設を支援することに期待していた。これは英国に高速鉄道建設の自信を与えた。ところがキャメロン氏が退任すると、中国が英国で投資する原発事業に審査が入り、中英関係が低迷した。中国の支援なき北方経済エンジン計画が座礁した。英国自身に高速鉄道を建設する技術と資金がなく、その後の政治家が新たな投資家を見つけていないことから、英国の高速鉄道の建設が何度もつまずいている」と述べた。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の高凌雲氏は、「西側の高速鉄道の建設が難航していることには、主に次の3つの問題がある。まず、西側はいわゆる国家安全を名目とし中国企業の関連事業への参加を拒否し、建設費が高止まりしている。次に、西側の制度には力を集中し大事業に当たる強みがない。政治ガバナンスの弱みにより、各部門の資源を一つにまとめ国と国民に利する集団的事業に取り組むことが出来ない。むしろ党や地域の利益に基づき方針が決められる。最後に、西側政府の政策は連続性がない。各政権は票集めのため目先だけの決定をし、長期的な計画がなく、国民の長期的な利益から問題を考えない」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年10月13日