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「米国の経済力の象徴」、USスチールの買収に米国では複雑な感情も

中国網日本語版  |  2023-12-20

「米国の経済力の象徴」、USスチールの買収に米国では複雑な感情も。

タグ:USスチールの買収

発信時間:2023-12-20 14:02:53 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 新日本製鐵(新日鉄)は18日、すべての債務を含む総額149億ドルの買収でUSスチールと合意した。ロイター通信によると、今回の買収は新日鉄の世界の粗鋼生産能力1億トン体制の目標達成を促し、同社を米国自動車産業のより大規模なサプライヤーにする。


 CNNは19日に「米国の経済力の象徴だった企業が日本の競合他社に売却」と題した記事の中で、「かつて最も価値ある企業だったUSスチールの140億ドル以上の売却額は、買収発表前の先週金曜日の終値を40%上回ったが、今やこのような取引は取るに足りないものとなった。米国のテック大手、例えばアップル、グーグルの親会社のアルファベット、アマゾン、マイクロソフト、NVIDIAの時価総額はいずれも1兆ドルを超える」と伝えた。


 CNNによると、USスチールの没落は数十年続いた。同社は1901年創業で、カーネギー鉄鋼会社を含む米国の主要鉄鋼企業の合併でつくられた。金融家のモルガンとシュワブが計画し、その後米国市場初の時価総額10億ドル超えの企業となった。USスチールは高層ビルや橋、さらに米国の消費者が欲しがる自動車や家電に鋼材を提供し、米国が世界経済の超大国になるのを支えた。


 鉄鋼業界のベテランアナリストのチャールズ・ブラッドフォード氏は8月のCNNの取材で、「同社は1916年にピークを迎え、それから坂を下り続けた。同社は日本やドイツの企業など、国内外の新たな競合他社に遅れを取るようになった」と述べた。CNNは、「これは米国経済の製造業から小売業、メディア、テクノロジーなどのサービス業への転向を顕著にした。この変化は経済と政治の深い影響を生んだ」と伝えた。


 USスチールの労働組合員は1万1000人。労働組合のリーダーは合意を阻止すると表明し、かつ米国の監督管理部門に両社の「合併」に反対するよう求めるとした。


 米国の一部の政治家と企業は外国企業からの買収に懸念を示した。オハイオ州のヴァンス上院議員(共和党)は「米国の軍需産業の基礎をなす重要部分が今日、外国人に安売りされた。私はこの結果を数カ月前に警告していたが、今後数カ月に渡り反対する」との声明を発表した。


 CNNは、政治的な反対に直面しているが、USスチールの運命に大きな変化が生じることはないと伝えた。これは世界の変化がどれほど早いかを世界の大手企業に伝える警鐘を鳴らしたというのだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月20日

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