米金融情報サービス大手のブルームバーグは12月8日、「人民元、ついに国際貿易で実力を示す」と題する。コラムニスト、アンディ・ムカジー氏の記事を掲載した。概要は次の通り。
国際決済に占める人民元の割合は、今年に入ってほぼ倍増した。ただ、依然として割合が低いため、あまり注目されてはいない。
そしてこれまでのところ、米ドルの終焉が近いという予想はいささか誇張されているきらいはあるが、人民元の台頭を無視するのも間違っている可能性がある。
フランス金融大手ナティクシスのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、アリシア・ガルシア・エレーロ氏は今週、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿したように、「人民元が2023年に人々に与えたインパクト、それは越境決済が急速に拡大したことだ」。
米ドルが世界全体の決済額に占める割合は47%と、依然首位を独走しているが、人民元の割合も1月の1.9%から10月の3.6%と拡大。国際貿易において支配的な地位にあるドルが直面する「これまでで最も深刻な試練」の始まりになる可能性がある。
多くのことが変わった。エレーロ氏によると、今年9月末の時点で、中国は「一帯一路」共同建設の枠組み内にある30カ国と二国間通貨スワップ協定を締結している。以前は、これらの通貨スワップ枠は多くの中央銀行によってそのままになっていたが、現在は一部の国で使用されており、より多くの人民元が海外で流通することが可能になっている。
「一帯一路」構想が優先順位を再調整し、「小さいながらも素晴らしい」プロジェクトの発展に力を入れるようになると、「金融機関による海外投資での人民元の利用拡大」が明確な目標となった。
ロシアとウクライナの衝突および西側諸国による対ロ制裁は、ロシアが対中依存を高め、人民元の国際化が進む原因となっている。インドの国営石油会社はロシアの石油会社から人民元での支払いを求められているという。
人民元の国際化が進む要因として、こうしたよく知られた理由のほか、企業の財務担当者によるキャッシュプールも挙げられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年1月1日