中国中部の安徽省合肥市に位置する中国科学技術大学工学科学学院の黄芳勝特任副研究員が率いるチームは最近、10年をかけて開発したミクロン級の「インテリジェントマイクロ消火器」を公開しました。
この「インテリジェントマイクロ消火器」は消火マイクロカプセルとも呼ばれ、カプセルの直径は200~600マイクロメートルで、パーフルオロ(2-メチル-3-ペンタノン)消火剤を高分子材料に封入して形成されたセンサーとドライバーを一体化した容器のなし消火材料です。
消火マイクロカプセルは、容器のない消火材料として、狭くて密閉された空間の火災を効果的に抑制することができ、難燃材料や接着剤などと組み合わせて使用することもでき、消火性能を大幅に引き上げることができます。
黄副研究員は、「このような消火用マイクロカプセルは、センサーでありドライバーでもある。温度によって触発され、温度が110度に達すると気化されて膨らみ、殻が破れ、中の消火剤が噴射されて消火器になる。実は熱応答のインテリジェントマイクロ消火器という発想だ。現在この消火器は主に狭い密閉空間の早期消火に向けられており、国家電網(本部を北京に置く世界最大の電力会社、中国の中央政府が直接管掌する中央企業)のスイッチキャビネットや電気キャビネット、高速鉄道の配線ボックス、新エネルギーのエネルギー貯蔵電池ボックス、壁に設置されるスイッチコンセントなどの狭い密閉空間の初期消火に使われる。火が起きる瞬間、あるいは早い段階で適時に消火するものだ」と説明しています。
現在、同開発チームは消火用マイクロカプセル製造の産業化を実現しており、電力、エネルギー貯蔵などの分野でテスト応用を展開しています。
「中国国際放送局日本語版」2024年1月7日