米連邦政府は現地時間2日、公的債務総額が初めて34兆ドル(約4920兆円)を突破したことを明らかにした。債務が33兆ドル(約4780兆円)を突破してから3カ月半しか経過していなかったことは、米議会予算局が予測していた時期よりも5年早かった。
34兆ドルとはいったいどのような数字なのだろうか。米国の関係機関の推算によると、米国のGDPの2.2倍の金額とのことだ。
このような巨大な借金はどのようにして生じたのか。専門家は、米政府は赤字を穴埋めするために、長期にわたって国債を発行して資金を確保してきたと指摘した。借り入れコストが極めて低かったために、「米国の債務の雪玉」はどんどん大きくなった。
そして、この「債務の雪玉」は止められない。アナリストは、米政府は現状からすれば、債務を毎年2兆ドル(290兆円)以上も増やすと予想している。米国では民主党と共和党が財政問題で激しく争い、政府に負債を解決しようとする気配がないことを考えると、米国の債務問題はさらに悪化すると予想されている。
「負債の雪玉」がますます大きくなれば、米国経済に打撃を与えることは避けられない。米ピーターソン財団は、大規模で増加していく債務が「米国経済の未来を脅かしている」と指摘した。
米国政府の債務に占める外債の比率は大きい。米国の債務残高が高値更新を繰り返してデフォルト(債務不履行)のリスクが高まっていることで、外国人投資家の米国経済に対する信頼感に影響が出ることは必至だ。投資家が米国国債の保有を減らしたり売却したりすればドルに下落圧力がかかり、ひいては米国政府の債務返済や資金調達がさらに難しくなる。
国際的な角度から見ると、米ドルは世界第1位の準備通貨であり決済通貨であるため、米国の「過度に起債し、制約も受けない」パターンは国際金融市場に波乱をもたらし、世界経済に影響を及ぼす。イエレン米財務長官は、米国がデフォルトを起こせば深刻な結果を招き、米国経済も世界経済も大打撃を受けると警告した。
米FOXニュースが2023年末に実施した世論調査によれば、登録有権者の4分の3以上が米国の経済状態は良くないと考えている。米国経済の深層にある多くの矛盾は解決にほど遠く、債務危機が繰り返されていることはいやでも目に入る。この状況は米国社会に潜在的な危険と動揺をもたらすだけでなく、世界にもより多くの不確実性をもたらしている。(CRI論説員)
「中国国際放送局日本語版」2024年1月7日