中国で最新の「国家帳簿」が公表された。国務院新聞弁公室は2月1日、2023年度財政収支状況に関する発表会を開催。2023年の全国一般公共予算収入は前年比6.4%増の21兆元を超え、全国31省の財政収入がプラス成長を達成した。2024年は経済回復を支えるため、財政部門は内需拡大に注力し、投資と消費の両面を強化すると同時に現代的な産業システムの構築などを加速させる見通しだ。
これについてある分析によると、政府は経済効率と生産性を向上させる分野への投資に加え、投資の持続可能性を重視し、過度の投資と浪費を避けようとしているという。新しい1年を迎え、財政政策は長期的な効果と構造の最適化と共に公平性と持続可能性を重視すれば、通貨政策など他の政策手段と連動しながら相乗効果が生まれ、政策の効果を上げることができる。
経済回復を支えるため、2024年の財政政策はどのように「適度に力を加え、質と効率を向上させる」のか。同発表会では2024年の重点任務について、主に投資と消費の両面を強化することで内需拡大に注力する方針が示された。
財政部の王東偉氏は、投資の観点からは効果的な投資を拡大する必要があると指摘した。今年は関連する国債資金の活用、一定規模の地方政府特別債の割り当て継続、中央予算の投資規模の適切な拡大などによって、政府の投資が増幅効果をもたらす見通しだ。
北京市社会科学院副研究員の王鵬氏は北京商報の記者に対し、「効果的な投資の拡大」とは政府が投資の量だけでなく、質と効果をより重視することを示していると説明した。王鵬氏は「これは政府がインフラ建設や科学技術の革新、環境保護など経済効率と生産力を高める分野への投資をより重視することを意味する。同時に、政府は投資の持続可能性も重視し、過度の投資や無駄を避けるだろう」と話した。
中国企業資本聯盟副理事長の柏文喜氏も北京商報の記者に対し、これは投資の意思決定において、投資の規模だけでなく、回収率も重視することを表していると指摘。「投資によって経済成長の促進と社会福祉の向上を確保するため、政府は投資プロジェクトを選別、誘導する必要がある」。柏文喜氏は、効果的な投資の拡大は、産業構造の最適化と生産能力利用率の向上につながり、経済のハイクオリティな発展を実現するとの見方を示した。
また、消費について王東偉氏は、潜在力のある消費を喚起する必要があるとの見解を示した。2024年は国民の消費高度化において文化、観光、教育、介護などの新たな成長ポイントを大きくするほか、社会保障と移転支出の調節を強化し、都市部と農村部の国民所得を増やすことで、消費の意欲と能力を向上させる必要がある。
柏文喜氏によると、投資と消費において、今後は政府関連部門が消費高度化の流れに注目し、文化観光産業などの発展を推進することで国民の多様な消費ニーズを満たすと同時に、デジタルエコノミー、グリーンエコノミーなど新興分野の発展を促進し、新たな経済成長ポイントを育む必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月16日