今年の春節(旧正月)の連休期間に中国市場は大いに活況を呈し、消費も盛り上がった。中国全土で地域をまたぐ人の移動は計22億9300万人に上った。国内旅行者数は延べ4億7400万人と前年同期に比べ34.3%増加し、比較可能なデータで計算すると2019年同期比で19.0%の増加となった。
伝統行事や正月用品市場は多くの人でにぎわい、経済発展の活力を浮き彫りにした。中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」やその他の国際列車は正常に運行し、世界の産業チェーンやサプライチェーンの安定かつ円滑な機能維持に寄与した。
海外メディアや世界的な著名人らは、こうした大移動は中国の強い経済力を示すものとして、活気あふれる中国に引き続き注目している。
◆春節で活気付く旅行市場◆
ブラジルのサンパウロ大学経済・国際研究所のマルコス・ピレス主任は春節連休中の様子について、「巨大な高速鉄道網も空港もフル稼働し、高速道路は自家用車であふれかえった」と指摘。中国の祝祭日などの行事は、工業製品や食品の消費を大きく押し上げ、観光業などのサービス業の拡大を強く後押しするため、中国の観光産業は今年、本格的に回復するとの見方を示した。
米国の観光促進団体ブランドUSAによると、黒竜江省ハルビン市では、豊かな観光資源や温かく気さくなおもてなし、SNSでの知名度の高さなどから、春節休暇中の旅行予約が前年比で14倍以上に急増した。同市観光業の成功体験は、雪と氷の世界を体験したいという人々の願望を大いに刺激。旅行予約サイトでの氷雪観光商品の予約は前年比で10倍以上に増加した。
ブラジルの有力紙オ・グローボによると、旅行は経済、雇用、消費を一定程度測る指標になるとして、今年は中国の観光業にさまざまな回復の兆しが見られると報じた。今年の春運(春節の帰省や旅行を支える特別輸送態勢)期間中、中国国際航空は19年同期比で32%増便し、アリババの傘下のオンライン旅行サービスプラットフォーム飛豬(フリギー)から受け付けたホテル、団体旅行の予約件数もそれぞれ160%増、34%増となった。
国連世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋部の黄海国主任は、中国の観光市場は春節期間に活況を呈し、良好な経済発展を浮き彫りにしたと指摘。中国の観光産業は、国の経済成長を後押しし、雇用を創出し、地域の経済発展に寄与する可能性を秘めていると語った。
◆休日の消費、景気回復を浮き彫りに◆
英国のショート動画ストリーマー、スチュアート・ウィギンさんは春節を前に、北京市内の正月用品市場に出かけ、その様子を配信。「市場には中国各地から集まった正月用品や食品などが所狭しと並んでいて、大いに知見を広げることができた。市場のにぎわいとお祝いムードに魅了され、熱気に包まれる市場に春節を迎える幸福と喜びを感じた。他の外国人の友人にも勧めて、春節の文化を体験してもらいたい」と語った。
今年の春節、スペインから初めて中国を訪れたというレジノ・ベイスターさんは「北京首都国際空港は混雑していたが、整然としていた」と説明。外国人訪中客向けに五つの利便増進措置が講じられたおかげで、通関手続きは迅速だったという。
「都市部は道路が広く清潔で、春節のめでたい気分を感じることができた。ありとあらゆる食を味わったり、にぎやかな集りに参加したりして、中国の人たちの温かさや親しみやすさを感じた。訪れた先はどれも忘れ難い思い出だ。中国について理解を深めたいし、何回でも訪れたい」と語った。
ブラジルの金融紙インフォマネーは、春節の連休期間に中国の消費、経済は大いに活況を呈し、より大きな成長ポテンシャルを解き放ったと伝えた。春節は、交通運輸や観光、ホテルなど関連産業の回復をけん引し、消費マインドを高めるため、年間を通じて経済の安定成長のための良好な基盤を築き、経済発展に好影響をもたらすだろうとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月24日