大手格付け会社のフィッチ・レーティングスはこのほど報告書を発表し、中国の信用格付けを維持したが、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に調整した。この調整はどう見るべきだろうか。
専門家は、「見通しがやや調整されたが、Aプラスという高い格付けを維持した。見通しの調整は主に政府の債務圧力などを考慮してのことだ」と分析した。
中国マクロ経済研究院経済研究所の陸江源副研究員は、「各種指標を見ると、中国政府の債務リスクは現在、全体的にコントロール可能だ。フィッチは中国の政府債務の圧力を過大評価した」と述べ、次のように分析した。
政府の債務率を見ると、中国は穏健を維持している。中国社会科学院国家資産負債表研究センターのデータによると、中国の2023年の政府レバレッジ比率は55.9%で、債務リスクは低い。国際決済銀行(BIS)のデータによると、G20の政府負債率は平均94%前後で、中国は世界的に見るとやや低い水準だ。債務構造を見ると、中国中央政府のレバレッジ比率は高くなく、中央政府のレバレッジにより地方政府のレバレッジをコントロールする余地がある。
一国の経済成長は格付けの重要な参考材料だ。国家情報センター経済予測部財政金融研究室の主任で研究員の李若愚氏は、「格付け見通しの調整は中国の経済成長を明らかに過小評価している。フィッチの2024年の中国経済成長率予想はその他の機関と比べ低めであり、その格付の結果の信頼性を疑問視せざるを得ない。事実、中国経済の実際の成長率は国際機関の予想を上回ることが多く、世界経済の安定成長をけん引する重要なエンジンになっている」と述べた。
李氏はさらに、「今年の世界経済の成長は原動力が乏しく、地域のホットな問題が続出している。世界経済は物価高、高金利、高債務、低成長という三高一低の流れを続けている。しかし中国の経済発展が迎えている有利な条件は不利なものを上回っている。国内のマクロ政策がさらに奏効し、新たな原動力の育成が加速し、改革のボーナスがスムーズに引き出され、開放のボーナスの奏効が加速し、アウトプットの不足分の補充が加速している。これらは中国経済の回復しつつ好転の流れを支える」と続けた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月12日