「強大な内需市場および整った産業チェーンとサプライチェーンに支えられ、中国の新型エネルギー貯蔵産業は加速度的に急成長している。世界で製造・生産能力・イノベーション・人材・競争上の優位性を形成すると同時に、寧徳時代(CATL)・BYD・中国電子科技(CETC)藍天など、中国エネルギー貯蔵産業のトップブランドも育成した」。浙江省杭州市でこのほど開催された第14回中国国際エネルギー貯蔵会議・展示会で、中国化学物理電源産業協会の王深沢秘書長は、「欧米や東南アジアも中国エネルギー貯蔵企業による投資の集積地と広大なホットスポットになりつつある」と述べた。
中国化学物理電源産業協会エネルギー貯蔵応用部門の統計によると、2023年の世界エネルギー貯蔵設備累積導入量は約294.1GWで、このうち新型エネルギー貯蔵設備累積導入量は約88.2GWと全体の30%を占めた。2023年の中国エネルギー貯蔵設備累積導入量は約83.7GW、うち新型エネルギー貯蔵設備累積導入量は前年比196.5%増の約32.2GWと、エネルギー貯蔵設備全体の38.4%を占めた。
エネルギー貯蔵技術は、「ダブルカーボン」目標の下で新エネルギーを主体とした新たな電力システムの構築を支える中核技術だ。
中国通信建設集団有限公司の唐令華会長は、「エネルギー貯蔵技術はエネルギー転換を促進し、持続可能な発展を実現するための重要な力」だとし、「省エネ・グリーンエネルギー・エネルギー貯蔵・カーボンチェーンなど新技術の研究開発と応用は、デジタル技術と新エネルギー技術の有機的結合を後押しし、ゼロカーボン基地局、ゼロカーボン・サーバールーム、ゼロカーボン・データセンターなど、クリーンエネルギーを主体とする第6世代情報通信ネットワークのアップグレードを促すものだ」との認識を示した。
エネルギー貯蔵技術は新エネルギー分野の重要部門として、エネルギー構造のモデル転換を促進し、グリーン低炭素の発展を実現する上で重要な意義を持つ。中国華電科工集団有限公司副総経理兼チーフエンジニアの李建標氏は、「エネルギー貯蔵技術の開発はエネルギー産業の将来だけでなく、人類の持続可能な発展にも関わる」と述べた。地球規模の気候変動やエネルギー安全保障などの試練に直面するなか、エネルギー貯蔵技術の革新と応用が極めて重要になっている」と述べた。
新型エネルギー貯蔵産業は長いチェーンと高度な技術を有しており、経済社会の発展とエネルギー科学技術の進歩を効果的に促進することができる。
中国能源建設集団科学技術情報設備事業部の裴愛国総経理によると、「第14次5カ年計画」が始まってから、中国の新型エネルギー貯蔵設備新規導入は1000億元以上の投資を直接けん引し、新型エネルギー貯蔵産業チェーンの川上と川下の共同発展を推進、中国の経済発展の新たな原動力となった。現在、中国のリチウム電池技術は世界をリードしており、EV・太陽電池とともに中国の輸出を牽引する対外貿易「新三様」(新御三家)と呼ばれている。同時に、300MW級の圧縮空気エネルギー貯蔵システムや全バナジウムレドックスフロー電池スタックなどのエネルギー貯蔵設備が次々と画期的な進歩を遂げ、中国の新型エネルギー貯蔵技術を世界的な産業競争の新たな高みへと押し上げている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月14日