国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、世界経済は懸念されていた景気後退を回避したが、10年の「ぬるい成長」と「人々の不満」を迎えていると警鐘を鳴らした。英紙「フィナンシャル・タイムズ」(電子版)が11日、伝えた。
ゲオルギエバ氏は、「注意すべき現実だが、世界経済活動は過去の基準と比べ疲弊しており、世界金融危機より成長の見通しが常にスローだ。インフラが完全には抑制されておらず、財政による対策はすでに尽きている。債務が増加し、多くの国の公共財政の重大な挑戦になっている」と述べた。
ゲオルギエバ氏は、「各国が大統領選を迎え、さらに極めて稀な不確実性と長年の衝撃により焦りを募らせる今年、高い債務水準を抑制するのは困難になる。地政学的な緊張情勢が、世界経済の二極化のリスクを拡大した」と述べた。
ゲオルギエバ氏は11日、大西洋評議会で講演した際に、さらに「出生率を上げ債務の負担を減らす措置が講じられなかったことから、世界は成長が緩慢で失望的な10年を迎えている。これはぬるい20年代だ」と述べた。
ゲオルギエバ氏は、各国の財務相及び中央銀行総裁を来週、ワシントン開催のIMF及び世銀による春季会合に招待するタイミングでこのように発言した。秋に5年の任期を満了することから、ゲオルギエバ氏は今回の会合で再任を確実にすると予想されている。
IMFは来週、世界経済の最新の予測を発表する。ゲオルギエバ氏は、経済成長率は上方修正され、1月の「世界経済見通し」の予測を上回ると述べた。IMFは、今年の世界のGDP成長率は3.1%を維持すると発表した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月15日