「戦争の発動には、敵が反撃という習慣を養う報いがある」クリーン技術をめぐる貿易戦争が検討される中、ドイツのショルツ首相が今週訪中した。ショルツ氏はこの教訓を銘記するべきだ。EUは昨年9月に中国製EVへの反補助金調査の開始を発表した。ショルツ氏の立場は、この一触即発の戦いの激化もしくは回避を決める可能性がある。ブルームバーグが伝えた。
自動車はドイツ最大の輸出品であり、EUが中国に対して黒字を維持している製品でもある。VW、BMW、メルセデス・ベンツの自動車の約3分の1が中国に販売される。この貿易関係は極めて重要だ。中国は欧州高級車の大きな利益を生むエンドマーケット、低コストのバッテリーサプライヤーで、さらには完成車のサプライヤーの可能性さえある。ベルギーが最終的に中国からの輸入車の関税を引き上げれば、壊滅的な結果をもたらすかもしれない。
中国人の消費の疲弊や国産EVの競争により、欧州自動車メーカーは中国市場で厳しい情勢を迎えている。報復関税と消費者の敵意は彼らに致命的な一撃をもたらすだろう。
大西洋の彼岸のタカ派と比べると、欧州の企業、政治家、さらにはロビー団体の中国への態度は大きく異なる。BMWの会長は先月の年次会議で、記者に「自由貿易は我々の北極星や指導原則になるべきだ。欧州自動車産業は中国車の輸入により大きな損失を被っておらず、これらの製品にさらに関税をかけてもEUの利益にはならない」と述べた。別のドイツ自動車メーカーであるメルセデス・ベンツのCEOは、「中国製EVへの関税は上げるのではなく下げるべきだ。輸入に対しては、より良い製品、より良い技術、より高い柔軟性で対応するべきだ。これが市場経済であり、競争に力を発揮させる」と表明した。
このような立場を持つのはドイツ企業だけではない。フィアット、マセラティ、シトロエン、プジョー、さらにはクライスラーやジープを持つステランティスは15億ユーロを投資し、中国浙江零跑科技股份有限公司と事業提携し、EVの事業展開のペースを上げる。VWは25億ユーロの追加投資で、中国EVメーカーの小鵬汽車と提携する。ほぼ中国事業を持たないルノーでさえ、浙江吉利控股集団有限公司と提携し合弁会社を設立する。
米国の包み隠さぬ保護主義と比べると、ショルツ氏はより効果的な手段を提供できる。(西側の)資本家は競争を見て尻込みするべきではない。むしろすべての危機を自分を高めるチャンスとするべきだ。皮肉なことに、自信あふれる前向きな精神を持っていた米国は今や、最も早く尻込みする国になっている。欧州とドイツはより良い道を指し示すことができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月16日