欧米の一部メディアや機関は最近、「中国デフレ説」を誇張し続け、中国経済を不安視することで人々を間違った認識に導こうとしている。しかし、欧米の人々の実情を考慮すると、このような中国経済に対する認知戦の効果は大幅に減少する可能性が高いと筆者は考えた。
デフレはもちろん良くないことで、中国の今年のインフレ目標は3%だ。第1四半期のGDP成長率は前年同期比5.3%、前四半期比1.6%となった。うち外需の貢献は14.5%、昨年はマイナス11.4%だった。これを踏まえると、世界的な需要が増えていると言え、今年の世界の貨物貿易量は伸び率が2.6%で、昨年のマイナス1.2%よりも良くなると予想される。一方、中国の「新三様(輸出の新しい三本柱)」、越境EC(電子商取引)による輸出、周辺地域との貿易の伸びは依然として力強い。3月の製造業購買担当者景気指数は50.8%で、1-2月の工業企業(一定規模以上)の利益は前年同期比10.2%増となった。
中央金融および経済関連会議と今年の「両会」で、消費者物価指数(CPI)の目標が明らかにされた。今年第2-4四半期に中国経済が成長を続ければ、自信と期待が回復し、いわゆる「中国デフレ説」は自ずと崩れていくだろう。
国家統計局が発表したデータによると、第1四半期のCPIは前年同期比で横ばいとなり、1-3月のCPI伸び率はそれぞれ前年同期比でマイナス0.8%、0.7%、0.1%だった。2024年の中国のCPI上昇率を低く予測する機関もあるが、その予測は中国で年内に打ち出される政策を考慮していない。政策はハイクオリティな発展が直面する障害と問題の解決を図るもので短期、中期、長期に配慮した総合的なシナジー効果を発揮する見通しだ。CPIの年間推移を見ると、実際には需要の不足が現在の中国経済における主な矛盾点となっていることが分かる。需要の不足や内生動力の不足、マクロ政策の支援不足などの問題に対して、国が相次いで対策を打ち出せば、今年のCPI上昇率は上記の予測値を上回るだろう。例えば最近広く議論されている消費財の買い替え促進策は、大きな可能性を秘めているだけでなく、一連の支援政策を通じてリソース再配置の効率を大きく高められる。
中国は2024年から2027年にかけて、1998年から2002年と同じような構造調整期となる可能性がある。向こう4年にわたる構造調整を経て、中国経済はハイクオリティな発展の新たな段階に入るだろう。短期的には目立たないかもしれないが、時間の経過とともにその変化は次第に明らかになるはずだ。(筆者=中国国際経済交流センター首席研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年5月4日