ブルームバーグは29日、「中国はレアアース（希土類）の採掘・精錬・流通を管理する初の包括的法規を発表した。中国国務院は29日、『レアアース管理条例』を発表し、レアアースが国に帰属し、国がレアアース資源の保護的採掘を行うことを明確にした。同条例は10月1日より施行」と伝えた。

同条例は計32条で、主に活動原則の明確化、レアアース資源の保護の強化、レアアース管理体制の健全化、レアアース産業の質の高い発展の促進、レアアース全産業チェーンの監督管理体制の整備、監督管理措置及び法的責任の明確化という6つの内容を規定した。

同条例は、レアアース資源が国に帰属することを明確にし、さらにレアアース採掘企業及びレアアース精錬・分離企業を確定することを求め、その他の組織及び個人はレアアース採掘・精錬・分離に従事できないとした。レアアース採掘・精錬・分離の実施の総量を調節し、動的管理を最適化する。製品トレーサビリティ制度を確立し、流通を厳しく管理する。また同条例はさらに、国がレアアース産業発展の統一計画を実施することを明確にし、レアアース産業の新技術・新プロセス・新製品・新材料・新設備の研究開発と応用を奨励し支持するとした。

独週刊誌「デア・シュピーゲル」は、「同条例は中国がレアアースのより良い保護を願っていることを示した。中国政府にとってこれは国家安全問題だ」と伝えた。「Nikkei Asia」は、「中国の地下資源は国が所有するが、一部の民間セクターにはレアアースの違法採掘・精錬が存在する。最新の同条例は、その重要な工業用金属の埋蔵量を保護する」と伝えた。

商務部研究院の白明研究員は30日、「環球時報」の取材で、「同条例は中国がレアアース資源の開発利用を規範化するため行う行政立法で、輸出規制関連の規定ではない。中国がレアアースの輸出を規制するという海外メディアの懸念には理がない。世界のレアアース生産大国である中国のレアアース産業は、健全で持続可能な発展の実現により初めて、世界の産業チェーンの安全と安定をより良く守ることができる」と述べた。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2024年7月1日