英誌「エコノミスト」は30日、「中国の最近の新興都市、急成長が依然として実現できることを証明」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
中国経済の奇跡は数十カ所の工業センターのおかげだ。中国の一部の地方の経済成長は現在も印象的で、毎年8−10%のペースで発展している。その多くが小型の「県級」都市で、人口は数十万人から数百万人。
中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会)は「質の高い発展」を求める重要性を強調。三中全会はさらに、都市化と民間企業へのサポートを強調した。これが実践において何を意味するかを理解したければ楽清を見ればよい。この人口約140万人の東部沿岸部の都市のGDPは昨年1660億元にのぼり、経済成長率が8%を超えた。現地の工業地域には無数の小工場が集まり、ブレーカー、スイッチ、ヒューズなどの小型電気製品を生産している。
楽清はいかにこの奇跡的な発展ペースを保っているのだろうか。これはその創業の歴史によるものだ。港がある温州に近いことが有利で、また政府の政策も一定の効果を発揮した。現地の当局者は工場に対して、基本的な部品の生産から価値ある電子製品の生産に転向するよう働きかけた。
例えば楽清はコネクタのリーダーになった。現地政府は企業と付近の大学による協力を奨励。企業と大学は同分野でリードしていた海外企業を追い抜いた。楽清には「ハイテク企業」が960社、上場企業が10社以上ある。これは楽清のような規模の都市にとっては異例だ。
楽清市は昨年、中国初の「国家先進製造業クラスタ」と呼ばれる県級市になった。楽清がこの栄誉を得たことは、先進製造業が時間の経過に伴い上海や深センの中心から小都市に広がる予兆かもしれない。この広がりは人口調整という、中国各地が直面している別の問題の解消を促す。2010−20年にかけて1866の県及び県級市のうち約1240に人口の変化があった。その一方で楽清市の人口は増えている。
公共政策が力を発揮する場所は、民間企業の強みを十分に引き出すことが多い。現地のある経営者は、政府当局者は求められない限り介入しないと述べた。地方政府の役割はコンサルティング会社のように、資源を集め関係を築くことにあるというのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年8月1日